挫折か転機か?東大ママの「産後人生」 対等な夫婦関係は幻想だった?

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最大の難関、家事シェアにはこういった工夫が。

・「産後クライシス」があった。マシにはなっているが、乗り越えたかどうかは不明。手順を詳細に説明しないと夫には伝わらないことがわかり、やってほしいことをボードに記載(例:洗濯物を干す、台所の洗い物など)。週に1度は夫が子供の迎えから寝かしつけをし、その間、自分は飲みに行ったり人に会ったり仕事をしたりできるようにして、随分、ストレスは緩和。しかし夫は相変わらず自由に飲みに行ったり昼まで寝ていたりする。(2007年理学系研究科卒、夫は仕事関係)
・1人目の育休復帰後、私が時短勤務して家庭内タスクを担う割合が高まったが、平日朝と休日はほぼ同じ割合に。夫に若干不満があったようだが、昨年度の給与がほぼ変わらなかったので、時短までいかなくても、生産性を高めて家庭内貢献を増やすように迫った(笑)。2人目出産時は夫も育休を取得し、その後も子どもたちが寝る前に基本的には帰宅してもらっている。(2005年文学部卒、夫は東大卒)
・産後クライシス的なものは、出産ごとに増えているが、そこそこ言いたいことを言い合ったので、今はなんとかうまくやっている(許してない部分もあるので書き留めているが)。(2001年経済学部卒、夫は東大卒)

「なんで子育てのみならず夫育てまでやらねばならんのか」「夫が長男」という理不尽な思いはありつつも、やっぱり言っていかないとどうにもならないですね。

また、根本的には、夫自身の考え方もですが、夫の職場環境を変えないとどうにもならないという面もあるでしょう。

さて、正直、今回はあまり東大と関係なかった気もしますが……。「東大ママも産後クライシスに苦しんでる! でも地道に交渉していくことが唯一の解?」という結論になりますでしょうか。

ママたちの発言の中に見え隠れしていた「私は仕事であきらめている部分があるのに!」という思いも、夫婦間の火種になっていると思いますので、次回は仕事と出産・育児の兼ね合いについても見ていきたいと思います!

東大ママ門 東大卒ママの同窓組織

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とうだいままもん / Todai mamamon

団体概要:2011年のホームカミングデ-をきっかけに発足した東大卒業生の同窓組織。現在、0歳~小学生の子を持つ層を中心に、20~40代の東大卒のママ(一部プレママ)160人が登録。「子育てをしながら働き続けるつもりだが、会社内にはまだロールモデルがいない」「子どもの教育観について、近所のママ友にはどこまで打ち明けていいかわからない」などの悩みを、同じ大学出身という共通基盤の下にFacebookのグループページ(非公開)で共有したり、オフ会、勉強会などで情報交換している。立ち上げの経緯はこちら(リンク)。

立ち上げ人:中野円佳:2007年、東京大学教育学部卒。『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)著者。同著では制度が整ってからも総合職女性が活躍しづらい社会構造を指摘。東大ママ門や本連載と直接関連はないものの、高学歴女性の抱えるジレンマについて触れている。

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