伊東孝紳・ホンダ社長--国内生産100万台は円高が続いても維持する

伊東孝紳・ホンダ社長--国内生産100万台は円高が続いても維持する

円高が輸出企業を圧迫している。2010年度上期、自動車業界でトップの営業利益3979億円をたたき出したホンダも、1ドル=80円を前提にした下期の営業利益は、上期の4分の1程度まで縮小する見通し。円高にどう対応するのか。そして今後の成長戦略をどう描くのか。伊東孝紳社長を直撃した。

──リーマンショックから2年。自動車業界は「危機モード」を脱したといえますか。

脱したと思ったら、また危機が来た。リーマンショック後はもう少し早く需要が戻ると思っていた。「戻りが遅いね」と言っているうちに、円高という別の大きな変化が来た。

リーマンショックを総括すれば、単なるショックではなく、全体の構造が変わったということ。金融システムの変調が発端だったが、それが自動車業界の構造にまで影響した。

第一に、それまで需要は右肩上がりだったのが、現在は自動車を必要な人は買うし、必要でない人は買わないとはっきり分かれてきた。第二に自動車がぜいたく品でなく生活必需品化したこと。こうした需要の変化の中で、円高が襲ってきた。

軽自動車はもっとシェアを拡大できる

──円高にはどう対応しますか。

短期的に今の国内生産を海外へ持っていく、などという乱暴なことはありえない。日本の雇用不安は絶対に起こしたくない。雇用を維持しながらどう円高に耐える体質をつくるか。やはり生産の合理化、国内販売の促進がいちばんの決め手になる。

国内販売の促進では軽自動車が武器になる。円高以前にその強化を決めていたのはよかった。軽の需要は底堅い。現在うちの軽の国内シェアは十数パーセント程度。今後はそんなに遠慮をするつもりはない。

シェアが低い理由は簡単。リーマンショック前は需要が供給を上回り、やり繰りする中で、軽が後回しになっていた。軽は本気で取り組めばもっとシェアを拡大できる。軽を他社からOEM(相手先ブランドによる生産)でもらう戦略などありえない。

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