肥後銀と鹿児島銀はなぜ統合へ動いたのか 県のトップ地銀が合意、銀行再編は新時代へ

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今回の統合により九州には三つの巨大地銀グループが誕生する。福岡銀行、熊本銀行、親和銀行(長崎県)を傘下に持つFFG(預金量11.4兆円)、長崎銀行を子会社に持つ西日本シティ銀行(同6.7兆円)、そして肥後銀行・鹿児島銀行連合だ。預金量は2行合算で6.8兆円となり、西日本シティ銀行を追い抜く。競争は一段と激化する。

FFGの柴戸隆成社長は決算発表会見で「統合はシナジー効果が発揮できてステークホルダーにメリットがあれば考えていきたい」と述べ、さらなる再編に前向きだ。ほかの九州地銀からも「地域経済に資することが大前提だが、その中でいい話があれば検討したい」(長崎県トップの十八銀行・森拓二郎頭取)、「厳しい経営環境を勝ち抜くための施策を前向きに考えたい」(大分県トップの大分銀行・姫野昌治頭取)といった声が上がる。再編劇は新たなフェーズに入った。

「週刊東洋経済」11月22日号<11月17日発売>掲載の「核心リポート07」を転載)

福田 淳 東洋経済 記者

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ふくだ じゅん / Jun Fukuda

『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などを経て編集局記者。

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