ロシアのウクライナ侵攻を止める「悪魔の選択」 「第2のソ連崩壊」を目撃することになるのか?

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ロシアの週刊経済情報誌『ボストーク通信』3月22日号によれば、専門家の間でも意見は割れているが、今年のGDPは5~15%減、インフレは15~35%になるとのこと。問題はそれで戦争が止まるかどうかだが、こればかりはやってみなければわからない。

「第2のソ連崩壊」の前に「悪魔の選択」も

前号の繰り返しとなるが、経済制裁の問題点は、①効果の度合いを測ることが難しい。②制裁をかける側も被害を受ける。③やめどきがわからなくなる、の3点だ。対ロ制裁で「返り血」を浴びる西側の経済が、我慢比べに負けてしまっては元も子もない。

本稿執筆時点の3月24日は、開戦からちょうど1カ月目となる。現地からはウクライナ軍の反撃が報じられている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の下で兵士の士気は高く、西側からの補給もある。

この展開、プーチン氏の思惑からは大きく外れているはずだ。どんなに遅れても、5月9日の「大祖国戦争勝利記念日」までにはウクライナを制圧し、勝利宣言するつもりだったはず。ただしその前に、ロシア国債のデフォルト(債務不履行)が来そうな雲行きである。

われわれはこの先、「第2のソ連崩壊」を目撃することになるのかもしれない。ただしロシアは4000発の核兵器を保有する大国でもある。どこかの地点で、「悪魔の選択」(The Devil’s Alternative)が必要になるのではないだろうか。バイデン大統領が、経済制裁の解除を条件にプーチン大統領に対して停戦を呼び掛ける局面があるのではないかと考えている(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬。春のG1初戦高松宮記念の勝者は?
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