新卒で一生モノの仕事が見つかるのは奇蹟 在籍年数ではなく、「何を成し遂げたか」が重要

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今どき、難関試験でも勤務しながら挑戦されるケースは以前よりも増えてきています。要はご自身の夢をかなえる、そしてご自身の行動の責任を取ることについて、どの程度、まじめに考えているかです。

一般的には、仕事を継続しつつ勉強するのが王道だと思いますし、多くの方もそのように努力されています。フルタイムで勉強するしか選択肢がない場合や、それなりのリターンが高い確率で見込める場合以外は、社会人が仕事を辞めて勉強だけに没頭するケースは少ないでしょう。

また、今回のようなケースは極端な表現を使うと、経験がそこまでない中でリスクを取りにいくということです。であれば、ダウンサイドのリスクを極力排除するべく、ご自身に何ができるかを考えるべきです。

教育業界の裾野は広い

最後に、「教育業界出身者はほかの業界で通用するか」ですが、これもご自身がどういったスタンスで仕事をされ、どういった経験を個人としてされてきたかによります。と申し上げては元も子もないので、同じようなケースの実例を挙げます。

私の知り合いに教育業界から人事系の仕事に移った人がいます。人を育てる、または教育する、という観点で前職時代に考えていた問題意識やアイデアをぶつけ、採用や社員研修を含めたコンサル的な仕事をしています。

あくまでも一例ではありますが、教育というのは非常に裾野の広い産業です。学生時代で勉強は終わりという古い認識を持っている人も少なくなっていると思いますので、教育や講師、相談系という切り口で探してみると意外と仕事があるかもしれません。

また、教員に晴れてなれたとしても、少子高齢化の時代ですので、その先を切り開けるかもご自身次第です。「教員になる」ことを最終的なゴールとしてとらえずに、教員になった後も広い視野でご自身の将来の選択肢を考え、学び続けることが不可欠です。

Sさんは仕事を漠然とするだけでなく、きちんと問題意識を持って行動する方だと思います。そして、ご自身が悩みに悩んで進むべき方向を決めてきた経験は、必ずしや若い学生の相談に乗る際に役に立つはずです。生徒にとって、身近でありながらリアルな相談相手になる教員像を目指してみてください。応援しております。

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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