ラクス

儲かる会社はIT化で"絶対的な差"をつける

社長業のかたわら、数多くのベストセラー経営書を執筆している小山昇氏。
今も、主宰する研究会に参加する500社以上の中小企業に対して実践的な経営指導をしているカリスマ経営者に、中小企業はITにどう向き合うべきか、話を聞いた。

小山氏が社長を務める武蔵野は昨年も過去最高の売上を達成するなど、50年以上にわたって成長を続けている。この驚異の成長力を支えるのは顧客獲得、社員教育、IT化にお金をかけるという三つの戦略だ。「中でもIT化は、竹槍で戦ってきた会社が空中戦をできるようになるというほどのインパクトがあり、ライバル会社に勝つために欠かせない。けれど、それを知らない経営者が多すぎる」と小山氏は嘆く。

IT化しないと中小企業は勝てない

武蔵野
代表取締役社長
小山 昇
ダスキン事業を展開する武蔵野の現役社長でありながら、中小企業の業績向上支援を掲げ、全国の経営者でつくる「経営研究会」を主催。現在500社以上の会員企業を指導するとともに中小企業のIT戦略、実践経営塾、実践幹部塾を開催するなど年間240回以上のセミナーを行う

「社員が少ないから導入しやすいし効果も大きい。しかし、変化を嫌う社員は多く、経営者も現状のやり方をベストと思い込んで動かない。経営者こそIT化の重要性を認識し、IT化は未来への投資、中小企業はIT化しないと競争に勝てないことをもっと肝に銘じるべき」と小山氏は説く。

目先のコストを惜しむことが、将来の大きな損失になるというのが経営というもの。パートを含む全従業員にタブレット端末を導入するなど、早くから社内のIT化を進めてきた小山氏は「たとえば、紙でやっていた経費精算をPCで処理できるようにして、やっぱり紙が良かったという人はいない。社内の申請や承認作業も紙だと、上司の印鑑をもらうことが仕事になる人が出てくる。そうしたムダは実に大きい。ムダがあっても儲かっていればいいが、外出先で申請や承認作業ができれば残業は減るし、ムダを省いて人員に余裕がでれば他部門に配置することもできる」と話す。

すでに武蔵野の経理部門は、従業員750人に対し2人。しかも課長はパートだ。そうして生み出した戦力は「ライバル会社に勝つために投入できる」(小山氏)と、本業への資源集中の重要性を説く。

特に、クラウドサービスの普及は、中小企業にとって、低コストかつ迅速なIT導入を可能にした。「開発費がかからず、技術変革に伴って時代遅れになる心配もない」と小山氏も評価する。ただ「IT化は、情報や作業を『共有』することが肝心なので、一部の人だけが使うIT化は失敗する。あれもこれもではなく、導入するなら全従業員、また自社の強みが出るところからITを導入していくのがいい」と小山氏は話す。

経費精算のIT化が浸透「楽楽精算」とは

ラクス 取締役
井上英輔

コア業務外でありながら、どんな企業でも必ず発生する業務で、全社員に負担がかかる経費精算はIT化の最有力候補と言える。「それは経費精算システム市場の拡大にも裏付けられる」とクラウド型経費精算システムのパイオニア、ラクス取締役の井上英輔氏は指摘する。企業の経理担当者を対象にした調査(ラクス実施)で2012年に8割を占めていた「経費精算は紙や表計算ソフトで行っている」と答えた企業が、13年には7割へ着実に減っているのだ。

「IT化による効率化で経費削減効果も抜群」と井上氏は話す。実際、ラクスがIT化を進めたところ、100人規模で年間約205万円、300人規模に増えた際は約515万円のコスト削減に成功したのだ。導入したのは、ラクスがクラウドで提供する経費精算システム「楽楽精算」である。

現在、「楽楽精算」の導入企業数は約600社を超え、ここ数年で右肩上がりに伸びている。「使いやすさが違う」と、導入企業の多くが語る理由の一つが乗換案内システムを内蔵していることだ。経路を入れるだけで金額が自動算出される仕組みで、交通費や出張旅費精算の手間を大幅に省力化、定期区間を自動控除して計算するなど、経費の過剰申請を自動で防いでくれる。「スマートフォンやタブレット端末にも対応しており、外出中のすき間時間を活用した申請、承認作業もできる。ICカードリーダーで、交通系ICカードの利用履歴を読み込み、そのまま申請することも可能だ」(井上氏)。

また、システムの自由度が高く、従来の帳票書式に合わせた導入も可能で、システムに合わせて業務のやり方を大きく変える必要がない。「通常ならカスタマイズの費用がかかるような設定も、手厚い無料サポートを行うことで初期コストを抑えている」と井上氏は胸を張る。月額利用料も3万円から(利用者数に応じて変動)という低コストで、井上氏は「導入の敷居を下げるとともに、使い続けていただけるよう使いやすさの向上を図り続けている」と話す。

導入企業からは「精算途中の費用も把握でき、経営判断のスピードに貢献している」「月初めに必ず発生していた経理残業がなくなった」と評価の声が寄せられている。ほかにもラクスでは、コスト削減効果が高い、帳票の電子化、発行の自動化を図る「楽楽明細」など、多彩なITツールを用意している。

小山氏は「経営者の最大の関心事は儲かること。そのためには、ライバルに差を付ける必要があり、IT化は有効な手段」と話す。その点、「楽楽精算」は大きなチャンスを提供してくれるかもしれない。