稼げないソニー! テレビ新製品を連発し、出荷台数急増でも…[下]

拡大
縮小


 だがビデオカメラ「ハンディカム」で培った高性能の撮像素子で、銀塩フィルム時代からのカメラメーカーと肩を並べた。テレビ同様価格下落が厳しい中でも、比較的底堅い収益力が維持できているのは、社内で生み出したキーデバイス=撮像素子が支えるからだ。

つまり、デバイスこそが最終製品の競争力の源泉だ。サムスンの高い利益率を支えているのは、液晶パネルや半導体メモリなどのデバイス。そのサムスンの幹部は、「かつてソニーはわれわれの目指すベンチマーク企業だった。が、今は違う。お客さんだ」と言い切る。

「ソニーをほかのどことも異なる企業として維持することを、決意せよ」

米ソニー・エレクトロニクス本社の一角には、60年前にソニーを創業した盛田昭夫氏のこんなメッセージが掲げられている。ソニーが収益力を取り戻すためには、もう一度原点に返り、ほかのどこにもつくれないデバイスを粘り強く生み出していかなければならない。

◆ソニーの業績予想、会社概要はこちら

[+画面クリックで詳細チャートを表示 <会員登録(無料)が必要です>]

(杉本りうこ =週刊東洋経済2010年10月30日号 撮影:梅谷秀司)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT