「株の暴落は最悪3年続く」と考えるべき明快理由 愚の骨頂・狼狽売り避けるマインド作りが重要

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では21世紀の株式市場を振り返って、最悪を想定するとしたら? 100年に1度の暴落と言われたリーマンショックが妥当でしょう。また、直近のコロナショックも、10年に1度は起こりえる暴落として認識しておきたいところです。

それでは、個別株がどの程度の下落となったのか、具体的に数字を見ていきましょう。

(出所)『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資 ど素人サラリーマンが元手5万円スタートでできた!』(以下同)

(外部配信先では図表や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

上の図は、日本を代表する大企業の株価が、コロナショックでどれほどの影響を受けたか、コロナショック前の株価とコロナショック後の株価を比較したものです。

また、同銘柄におけるリーマンショック時の下落率も掲載しています。コロナショックでは数カ月という比較的短期間で株価が戻りましたが、リーマンショックでは数年をかけて最安値をつけた銘柄も少なくありません。

長期間にわたって株価が低迷する事態も起こりえることは、あわせて知っておきたいところです。

これまでの暴落では、とくに金融やリース、建設機器等の下落率が高くなっています。ただ、下落率の高い銘柄は、株価が反転して上昇局面に入った時の上昇率も高くなります。なので、暴落が起こった時には、そのような下落率の高い銘柄を中心に買っていくという戦術を取ることもできるのです。

また、株価に過熱感があると感じている時は、暴落時に下落率が小さいことが予想される通信や医薬、食料品等の生活必需品関連株を中心に買っていくのも、暴落耐性を高めるという観点から、選択肢としてはありだといえるでしょう。

日経の1日の下落率ランキング20

暴落が発生した時に、個別の銘柄がどの程度下落する可能性があるかを学びました。

続いて、日経平均株価が1日でどの程度下落するのかも、歴史から学んでおきましょう。

上の図をご覧ください。日経平均株価の下落率ランキング上位20日です。ランキング1位は1987年のブラックマンデー、2位は2008年のリーマンショック、3位は2011年の東日本大震災となっています。直近では、2016年のブレグジットに関連した暴落が、下落率7.92%で9位にランクインされています。

ただ、その後はランキングに変動はなく、1日当たりの下落率という観点からは、最近は大きな暴落が発生していません。

また、同じ年にこの規模の暴落が起こっているのは、2008年リーマンショックの7回、1953年スターリンショックの2回だけであり、暴落は決して頻発するものではないことも読み取れます。

実際に暴落が起こった時に、株価の下落がどの程度の期間続くのか、見通しが立たないと不安な気持ちになって、「もう株式投資をやめてしまおう」と思うかもしれません。

パニックの中で精度の高い見通しを立てることは、極めて困難でしょう。この点も歴史から学び、事前に最悪を想定しておくことで対処可能です。

図3をご覧ください。21世紀における主な暴落時の下落率と、最安値をつけるまでの下落期間が記載されています。図を見ていただければすぐに気がつきますが、下落率も下落期間もまちまちです。

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