夫が統合失調症、息子のために別れるべきか 夫の病気が与える悪影響が心配

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高木様、遠回しな申し上げ方になりましたが、多くの不治の病が不治でなくなった今日に、いまだ克服されず偏見が残っている病気のひとつに、統合失調症があると思います。完全に克服はされていませんが、内容とレベルによっては、通常の社会活動が十分に送れる良薬が開発されていて、その恩恵を受けている人が多いと聞いています。

多くの不治の病が不治でなくなったように、この病気も1日も早くその日が来ることを私は願い、信じてもいます。その日が来れば、この病気に対する偏見も随分払拭されるでしょうが、私たちはその日を待つまでもなく、この病気で苦しむ人とその家族と、その苦痛や困難を共有できる心は失いたくないものです。

賢治くんが父親の病を知らずに育ち、無意識にでも弱者の立場に無理解な人間に育ち生きていく姿を想像してください。弱者でない人が多くを学ぶことで弱者を理解し寄り添い、差別に憤り闘っている時に、弱者やその家族が無知であり続けたり逃げて生きるのは、悲劇を通り越しています。

今の段階で絶縁しないほうがいい

夫君は病状の良い時は、親子の交流を断ち切るのを貴女が悩むほどの、父親としての愛情を賢治くんに示される方なのですね。ご夫君に合う薬の開発が、1日も早いことを祈るばかりです。

私は夫君の症状の具合がどの程度のものかわからないので、最終判断はもちろん高木様の方がご自身にあった判断をされることでしょう。今後の病の進展か回復状況を鑑みながら、別居を続けるか離婚するかは貴女が選択するとして、祖父母も含めて今、絶縁までされるのが子どものためかと悩むのはいかがなものでしょう。

賢治くんを、他者の痛みが理解できたり他人のために泣ける心優しい青年に育てたいのでしたら、まず父親の痛みや悲しみに目を背ける人であってはなりません。私がきれい事を言っているだけだと受け止められませんよう、切に願っています。 

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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