横浜銀、東日本銀が今「統合」する事情

”地銀再編ドミノ”がいよいよ始まる

地銀最大手の横浜銀行は中下位行の東日本銀行を統合相手に選んだ(撮影:梅谷秀司)

「追い込まれた地方銀行でもないのに再編に動いたのは意外」(首都圏の地銀幹部)。

11月4日、横浜銀行と東日本銀行が経営統合に向けて動き出していることが、明らかになった。横浜銀行は預金量11兆円超の地銀最大手。一方の東日 本銀行は預金量1.6兆円で地銀105行中68位の中下位行。東京都中央区に本店を構えるが、規模は横浜銀行の約7分の1だ。2016年春に共同持ち株会 社を作り、その傘下に両行が入る形で検討が進んでいる。

横浜銀行にとってのメリットは広域化だ。地元の神奈川県では、貸出金シェア3割強を誇り圧倒的首位だが、東京都では存在感が小さい。店舗網も神奈川県179店に対し、東京都はわずか20店。これに東日本銀行の都内店舗47が加われば、2020年のオリンピックを控えた東京での融資チャンスが広がる。

千葉銀、常陽銀も刺激か

東日本銀行は2011年に公的資金を完済し、前14年3月期は純利益55億円を計上した。ただ、同じ東京都が地盤の東京都民銀行(預金量2.2兆円 で地銀48位)と八千代銀行(同2兆円で同57位)が10月1日に経営統合し、「東京TYフィナンシャルグループ」を誕生させている。東日本銀行を規模で 上回る2行が手を組んだことで、一段の競争激化が予想される。

横浜銀行にしてみると、今回の統合は一つのステップにすぎない。寺澤辰麿頭取は6月の本誌取材に「(再編については)予断なしに可能性を検討してい る。5年先、10年先になれば、神奈川県といえども、(人口減少など)ほかの地銀と同じ問題に直面することは容易に想像できる」と語っていた。神奈川県に は近年、静岡銀行や群馬銀行など、他県地盤の銀行が相次いで支店を開設している。

横浜銀行は10月29日、三井住友信託銀行と資産運用会社の共同設立を発表した。ここで開発する投資信託を、ほかの地銀で販売することも狙っている。横浜銀行と東日本銀行が持ち株会社設立で合意すれば、ここにほかの地銀が合流することも考えられる。

首都圏の中堅以下の地銀では、栃木銀行や千葉興業銀行、筑波銀行(茨城県)、東和銀行(群馬県)などの動向が注目される。千葉銀行や常陽銀行(茨城県)などの上位行も、横浜銀行から刺激を受け、新たな動きを始める可能性がある。地方銀行の再編は緒に就いたばかりだ。

「週刊東洋経済」2014年11月15日号<10日発売>の核心リポート04を転載)


 

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