産業天気図(不動産業)空室率が改善しオフィス賃貸業の増益幅は拡大。マンション分譲は拡大・縮小

不動産業の営業利益は、2002年度実績が8.25%増と大きく伸びたが2003年度予想は5.18%増と伸びが鈍化する。が、2004年度は6.45%増と再び伸び幅が拡大する。
 2003年度はオフィスビル賃貸の利益増が鈍かったが、2004年度は拡大すると見られる。新築ビルの大量完成による空室率の悪化は昨年秋で終わった。生駒データサービスの調べによると、東京23区の2004年3月末空室率は2003年末に比べ1.0ポイント改善し5.9%へ。立地条件がよく築年数も浅いAクラスビルは1.9ポイントも改善し4.5%まで下がった。オフィス賃料のほうは東京23区の平均で1万3410円/坪と0.5%下落したがほぼ横ばいと、下げ止まり感が出始めている。通常、空室率のピークから半年、おそくとも1年後には賃料のほうが底打ち反転してくるため、早ければこの3月末おそくともこの9月末には賃料が上昇に転ずると見られる。こういった改善状況が続くことから、オフィスビル賃貸を主力としている不動産業は業績の拡大が見込めるだろう。
 不動産業のもうひとつの利益柱であるマンション分譲事業は昨年秋頃からピークアウト感が漂っており、2004年度は厳しい。とはいえ都心の好立地物件は依然、好調な売れ行きを示しており、こうした物件を仕入れられているマンションデベロッパーは2004年度も業績拡大が見込める。
 オフィスビル賃貸を主力とする総合不動産大手3社のなかでは、三菱地所の躍進が期待できる。旧国鉄本社跡地の再開発が9月から稼働するなど営業利益は1割増の1100億円が予想される。一方、三井不動産、住友不動産もオフィスビル賃貸事業の拡大から営業増益は確保できるが、賃料上昇は下期からと見られ伸び幅は鈍い。
 マンション専業では大京や藤和不動産が売り上げ計上戸数で横ばい。ダイア建設が4割減、リクルートコスモスが1割減と厳しい。ただゴールドクレストや日本綜合地所が3割増となるなど好物件の多いところはまだ拡大が続く。
【福田 淳記者】

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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