「ネットのオバマケア」を知っていますか? <動画>大統領が「ネット中立性」の守護者に

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ロイター記者のアリーナ・セリューク氏は言う。「これはケーブル会社や投資家にとっては本当に重大な問題だ。というも、FCCが新たなネット中立性に関するルールを設定した場合、ケーブル会社が望んでいる軽度の規制アプローチとはまったく違うものになるためだ。FCCが厳格なルールを定めることは、事業リスクを高めることになる。厳格なルールは、高額な訴訟費用や政府と対立して面倒を引き起こす可能性にも繋がっていく」。

企業側は大統領の見解に鋭く反論している。アメリカの株式市場の中でも、株式が最も活発に取引されている企業の1社であるコムキャストは、次のように述べている。「これは、今日の株式市場が即座に反応したことから分かるように、設備投資やイノベーションを損なう可能性がある。根本的に逆行した政策だ。これまでと根本的に逆行する政策を取るのであれば、連邦議会で取り上げて議論するべきである」。

インターネットのオバマケア

大統領の声明を受け、FCCの独立性を維持できなくなるのではないか、と懸念する者もいる。セリューク記者は次のように言う。「今日の声明のように、こういった形で個別の政策を表明するようなことは、大統領としては非常に珍しいことだ。専門家の中には、これは連邦議会両院が共和党の勢力下となった今、大統領が今後、行う政策実行の手法を示唆しているのではないか、とみる人もいる」。

この動きは共和党を刺激し、ソーシャルメディア上の反応を引き起こしている。テキサス州選出の上院議員であるテッド・クルーズ(共和党)はツイッターで、ネット中立性を、医療保険制度改革になぞらえて「インターネットのオバマケア」と呼んだ。

ただし、国民の支持はオバマ大統領の側にあるようだ。FCCは、新しいルールを5月に提示して以来、400万件近いコメントを受け取っており、その大部分はネット中立性に関するオバマ大統領の立場を支持するような内容である。

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