武富士の会社更生は旧経営陣が関与できない方式へ転換か、貸付金残高の「実体」も再建のカギに

武富士の会社更生は旧経営陣が関与できない方式へ転換か、貸付金残高の「実体」も再建のカギに

東京地裁は10月31日、武富士の会社更生手続開始を決定した。これに合わせて、これまで保全管理人を務めてきた小畑英一弁護士を管財人に指定。さらに小畑氏を含めて20名の弁護士によって構成される管財人団をもって、今後の更正、再生手続きにあたるようにした。

9月28日の会社更正法適用の際には、「DIP型に準ずる方式」(小畑弁護士)として、武富士の旧来の経営陣の一部が倒産後の新経営陣に加わっていた。DIP型とは、更正手続の円滑化のために、当該破綻企業の旧経営陣を排除せず、登用する方式。旧経営陣を完全に排除する旧来の会社更生法との違いはここにある。

しかし、今回、管財人団がすべて弁護士で組成されることによって、武富士関係者は経営陣として今後の作業には関与する余地はなくなった。いわば、当初のDIP型は事実上、放棄されたものともみることができる。小畑弁護士も「管理型に移ってきた」という表現で、DIP型よりも従来型に変わったことを示唆した。そもそもDIP型の再建になれば経営責任は明確化されないという批判も多かった。

一方、小畑弁護士は現時点で、武富士の買収意向を寄せて趣意書を提出した国内外のファンド、消費者金融会社が約20社にのぼると説明した。しかし、その一方では、破綻時に約4000億円となっている貸付金残高が利息制限法金利へ引き直した場合には、どの程度まで圧縮されるかという質問については、「今後の作業で決まる」という回答だけにとどまった。

貸付金残高の圧縮度合いによって更正後の収益力は違っていることはいうまでもなく、その意味では、現時点での買い手(スポンサー)候補は確固としたデータに基づかずに、とりあえず、手を上げたにすぎないということにもなる。「貸付金残高の圧縮が大きければ、会社というよりも、ローン債権の買い取りのほうに興味が移る」と、あるファンド関係者は指摘しており、今後の貸付金残高と、希望退職などによる社員数圧縮などがポイントとなりそうだ。

ちなみに、小畑弁護士によれば、スポンサー選定については、11月中旬までを第1次台維持プロセス、12月中旬から来年2月中旬までを第2次プロセスとして作業を進めるという。

(浪川 攻=東洋経済オンライン)

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