ヤフー、「初の減益」でスマホ時代に試練 対楽天では出店数で勝ち、商品数で負ける

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宮坂社長は「来期は品数でも1位になれる」と豪語した。左は大矢CFO

事業別ではスマホシフトを危ぶむ声が出ていた、広告が中心のマーケティングソリューション事業は、売上高が1466億円(同7.5%増)、営業利益が767億円(同6.9%増)。スマホ向け広告の売上高は中間期に174億円の大幅な増収を達成した一方、PC向けが主体の広告は87億円の減少と、痛みも伴う内容だった。宮坂社長は「これまでは、PC向けのうえにスマホ向けが加算される状況だったが、PC向けが減っていく段階に入ってきた」と、広告関連の売上高成長率が鈍化している背景を説明。今後の成長戦略の一つとして、ヤフーのトップページをスマホと親和性の高いタイムライン型に一新し、タイムライン広告を展開することを検討しているとした。

「『爆速』でヤフーを変える」。

宮坂氏は2012年4月、こう宣言し、当時社長だった井上雅博氏の後任に就いた。40代の宮坂氏をはじめ、経営陣が一気に若返ったのは、スマホシフトを貫徹する使命を帯びてのものである。経営陣の刷新から2年半。PC時代を経て、スマホ時代にも飛躍を果たせるか。待ったなしで”答え”を出すことが求められている。

(撮影:尾形文繁)

山田 泰弘 東洋経済 記者

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やまだ やすひろ / Yasuhiro Yamada

新聞社の支局と経済、文化、社会部勤務を経て、2014年に東洋経済新報社入社。IT・Web関連業界を担当後、2016年10月に東洋経済オンライン編集部、2017年10月から会社四季報オンライン編集部。デジタル時代におけるメディアの変容と今後のあり方に関心がある。アメリカ文学、ブラジル音楽などを愛好

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