日本的感性 触覚とずらしの構造 佐々木健一著

日本的感性 触覚とずらしの構造 佐々木健一著

日本人が世界をどのようにとらえてきたか、その美的感覚を文化的背景から考察する。美学者である著者は、「感性にとって最適の表現媒体」である和歌を素材にその特性に肉薄する。

たとえば、与謝野晶子の短歌「清水へ 祇園をよぎる 桜月夜 こよひ逢う人 みなうつくしき」に、日本人特有の花の感じ方を見る。西洋人はバラやチューリップなど、一輪でもそれを鑑賞の対象とする。ところが、晶子の歌は桜の一輪ではなく、群生する桜の花が包み込む空間自体を美の対象としてとらえる。

かように日本人は、広がりの中に自らを見いだすことを好む民族なのである。この感性こそ、「日本的感性」の特徴の一つだと論じる。

中公新書 903円

  

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
行き詰まる東電支援<br>原発最後の選択

賠償費用も廃炉費用も想定から大きく上振れし、東電支援スキームは破綻の瀬戸際。東電の発電所を売却し、その代金を賠償や廃炉費用に充て、東電を送配電会社に再編する構想が浮上。