日比谷総合設備は体験型研修施設を活用し、品質向上に注力

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日比谷総合設備は体験型研修施設を活用し、品質向上に注力

空調設備工事を展開する日比谷総合設備が、空調機やサーバールーム工事などの研修強化に取り組んでいる。

9月に開設した体験型施設「宮崎台研修センター」(川崎市宮前区、=写真=)では、実物の空調システムが設置されており、工事の手順や安全面のポイントなどを確認できる。同社はこれまでも座学による研修を実施していたが、施工前に体験型の研修を積むことで現場の事故を未然に防止し、工事の品質を引き上げたい考えだ。

研修室内には、さまざまな工事に関連する道具が展示されている。手袋や電動ドリルを始め、「絶縁脚立」や道具の落下を防止するひも、作業用マスクなどが並ぶ。また、長年の使用で不良品になったドラムコードや安全靴、実際に起きた死亡事故の報告書も展示されていた。ここでは各道具の使い方などを中心に、基本的な安全対策を確認できる。また、上部には空調機が設置されており、配管をチェックすることができる。そのほか、作業時に装着する安全帯の体験コーナーもある。

施設のメインとなるのはサーバールームの一部を再現したコーナーだ。日比谷総合設備はNTTグループ向け工事が過半を占めるが、NTTでは現在、空調システムの更新を進めている。更新の対象となる旧型システムは約30年前に取りつけられたもので、当時施工を担当した社員は誰も残っていないという。そこで、実物を見て、事前に旧型機の構造や配線パターンなど、工事のポイントを確認することが必要になる。研修の中では誤動作によるシステムの停止や、その後の再起動なども実施している。

東京本店・安全品質管理部の岡部博之課長は「実際に体験しておくことで、現場での作業効率も大きく変わってくる」と話す。同研修センターでは、新入社員はもちろん、こうした種類の工事を経験していない社員、または協力会社の作業員も受け入れた研修を進めていくという。9月の開設からすでに100人以上が研修を積んでおり、今後も体験型研修を通して、安全確保と品質向上につなげる方針だ。

こうした取り組みが業績へ直接与える影響は大きくないが、基礎的な動作を徹底させることで経営基盤の強化につながるだろう。下表の業績予想数値に変更はない。

(田邉 佳介 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2010.03  62,378 2,208 3,743 2,440
連本2011.03予 60,000 2,200 3,400 2,100
連本2012.03予 62,000 2,400 3,600 2,200
連中2009.09  24,467 -247 266 297
連中2010.09予 24,000 400 850 520
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2010.03  73.6 24.5 
連本2011.03予 64.2 22 
連本2012.03予 67.3 22-23 
連中2009.09  8.9 7.5 
連中2010.09予 15.9 7.5 
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