10の図表で読む「円高と円安、どちらが得か」 ズバリ長期的には円高が望ましい

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菅原氏の近著 『図解使えるマクロ経済学』 では、経済学者たちが生々しく意見を戦わせる知的格闘技の世界を、イラストや図で楽しく解説

日本の対外純資産は世界一と言われますが、英米の対外資産は、その比ではありません。両国は、今世紀、すさまじい勢いで、資産(海外投資)と負債(海外からの英米への投資)を増やしています。国際取引の真の主役は、金融取引です。もはや、輸出(EX)と輸入(IM)は、実物取引ではなく、カネの輸出入を表す記号です。

そして、実物取引ではなく金融取引の視点で考えた場合、株や債券、海外の資産購入、M&Aに望ましいのは、ずばり円高なのです。アメリカが強いドルを容認しているのは、金融取引が主役の時代になっていることを示します。

菅原 晃 高校教師

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すがわら あきら / Akira Sugawara

1965年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。玉川大学大学院文学部修士課程(教育学専攻)修了。現在、北海道の公立高等学校の教諭を務める。

前著『高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学』が、「現役高校教師による経済学の最高の教科書」と大きな評判を呼び、ベストセラーに。わかりやすく経済学の本質を伝えようとする骨太の解説に定評がある。

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