アリババ増益、売上高の伸び3四半期で最高 モバイル事業は前年同期比で約10倍に成長

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 11月4日、アリババの7─9月期決算は利益が予想と一致、売上高が増加した。写真は杭州郊外の同社で4月撮影(2014年 ロイター/Chance Chan)

[北京 4日 ロイター] - 中国の電子商取引大手、アリババ・グループ・ホールディング<BABA.N>が4日発表した第2・四半期(7─9月)の決算は、純利益が市場予想とほぼ一致したほか、売上高の伸びが3四半期で最高となった。

今回の決算発表は9月の上場以降で初めてとなる。

4日午前の米国株式市場で株価は一時3%値上がりし、最高値となる104.96ドルをつけた。

株式ベースの報酬費用や無形固定資産償却費を除いた、非米国一般会計原則(GAAP)ベースの純利益は、前年同期比15.5%増の11億1000万ドル。市場予想は11億7000万ドルと見込んでいた。

売上高は前年同期比53.7%増の27億4000万ドルと、3四半期で最高の伸びとなった。市場予想は27億ドルだった。

希薄化後1株利益は0.20ドル。非GAAPベースの希薄化後1株利益は0.45ドルで、前年比9.4%増加した。

一方、利益率は18%と2年ぶりの水準に縮小した。上場時の株式ベースの報酬費用4億9000万ドルなど、特別費が圧迫した。

アリババの陸兆禧(ジョナサン・ルー)最高経営責任者(CEO)は声明で「主要な経営指標で大幅な伸びがみられ、好調な四半期となった」と述べた。

アリババは年初来、60億ドル以上を投じているが、顧客基盤の拡大に向け、今後も投資を継続する方針を示した。

武衛(マギー・ウー)最高財務責任者(CFO)は「売上高を拡大し、長期的に当社のエコシステムを強化するため、戦略的な投資を続ける」と述べた。

同社は、モバイル向け基本ソフト(OS)や位置情報サービス、デジタルエンターテインメントなど、新たな試みにも資金を投じるとしている。

モバイル事業の売上高は前年同期比で10倍以上増え、全体の売上高の22%を占めた。モバイル事業の収益化が進んでいるものとみられる。

総取引額(GMV)は前年比48.7%増の905億ドル。このうちモバイル経由のGMVが占める割合は35.8%で、前年同期の14.7%から上昇した。

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