高品質だけを強調して売れる時代は終わった--ハリス・ダイアモンド ウェーバー・シャンドウィックCEO

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--とはいえ、多くの国や地域でブランドを浸透させるのは簡単なことではない。

日本企業でも、世界の各地域に権限委譲しながらローカルの中でいかに認知を高めていけるか考えないといけないと呼びかけるトップが増えている。日本企業はローカル性を理解する必要がある。グローバル企業になるためには、企業の意思決定権を持っている人たちがどれだけ世界を見ているか、あるいは世界を見てきたかが大事だ。

私はよく消費者の目を読むと言っているが、その国や地域の消費者が何を見てどういう形で情報を入手しているのか、意思決定はどう行われているのかを理解するためには、ローカルに目をむけていなければできない。

--日本企業が今から世界を魅了するブランドを生み出すことはできるでしょうか。

一番大事なのはマーケティング部門の存在感とそこに対する理解。少し前までアメリカでも財務部門の人たちが脚光をあびていたが、時代は再びマーケティング重視に戻りつつある。まずマーケティングの意義を理解しなければならない。アップルはテクノロジー企業だと言うが、私はマーケティングの企業だと思う。スティーブ・ジョブスがいなくなったら技術が衰退するんじゃないかと心配する人はいないが、マーケティングがうまくいかなくなるという懸念を持つ人が多いのではないか。

(聞き手:中島順一郎 撮影:大澤誠 =東洋経済オンライン)

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