親からの「帰ってこい」から逃れるには? データで就職環境の厳しさを説明するべき

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大企業の本社でもあれば別ですが、ごく平凡な地方では就職先は限られてしまうのが現状です。大学の専攻を生かす、大学時代の夢を実現するというのはかなり困難です。「実家に戻ってこい」と言われたら、その地域の雇用状況を具体的に説明して「地元に戻ってもいい就職先を見つけるのは難しい」とはっきり言いましょう。

また、日本企業のグローバル化が進んでいるので、地元企業が今後ずっと国内だけで事業展開し続けるとはかぎりません。支店や工場を海外に設けることは十分にありうる話です。企業は地元にいたくても、親会社や主要な取引先の海外進出に伴って海外進出を余儀なくされるのはよくあるケースです。

地方企業も海外進出なしに生き残れない

日本は人口減少が続いています。総務省が今年10月に発表した「人口推計」によれば、2014年10月1日現在の日本の人口は1億2709万人。前年より21万人も減少しました。これは、東京都の文京区や港区の人口に匹敵します。

国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2040年に日本の人口は1億0700万人になります。今の就活生が50歳近くになり、社会の中心として働いている頃には、日本の人口は今より2000万人も少ないのです。そして、2048年には1億人を割るという推計値もあります。

人口構成を見ると現在は老年人口(65歳以上)が人口全体の約4分の1ですが、2040年になると3分の1を超えます。このような国でモノやサービスが売れるでしょうか。

これに対して海外では人口が爆発的に増加しています。国連の統計によれば、世界の人口は1999年に60億人でしたが、2012年には70億人となり、2025年には80億人となるも見通しです。単純に計算すれば、2025年に向けて毎年7700万人増加していくのです。

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