長すぎる商品名につい惹かれてしまうワケ

スーパー、コンビニ食品でライトノベル化が進行中?

スーパー、コンビニ、ショッピングセンターにデパートだけでなく、パソコンやスマホの画面の中でのネットショッピング――。私たちの身の回りには「売り場」がいっぱい。ランチや夕飯の買い出しはもちろん、仕事の息抜き、暇つぶしなど、普段何気なく立ち寄るここには、色々なドラマが隠れているのです。ストアコンパリゾン(売り場見学)を趣味とする筆者が「だから売り場はおもしろい」をキーワードにお送りする新連載。これで毎日の買い物がちょっと楽しくなるかも。
何気に立ち寄る「ウリバ」にはさまざまな仕掛けが隠されています(写真と本文は関係ありません)(撮影:今井 康一)

流通系ライターとしての仕事柄、食品卸企業の展示商談会に行くことがあるのですが、2014年の春夏新商品で最もインパクトを受けたのが、桃屋が出したこの商品です。

「さあさあ生七味とうがらし 山椒はピリリ結構なお味 香味」。長い、長い、数えてみれば25文字。あまりのネーミングの長さに「ラノベ(ライトノベル)かよ…」と思わず頭の中でツッコミしてしまいました。

「誰か短縮形の名前をつけてくれないかな。『さあピリ』とか?うーん、いまいち」「売り場のPOPを作る人とか、むしろ電子棚札の店舗はどう表記するの?」「レシートはどんな名前で出てくるのかな…」と、ひとしきり妄想したものです。

ちなみに、ライトノベルとは明確な定義こそないものの、主に若者向けのライトなタッチの文体で書かれている小説のこと。たとえば、『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている』(電撃文庫)『恋人にしようと生徒会長そっくりの女の子を錬成してみたら、オレが下僕になっていました』 (一迅社文庫)など、長い、長い。

とはいえ、最近はメディアミックスなどで盛り上げるライトノベル業界でなくとも、長いネーミングの商品は見かけられます。1年前の2013年春には村上春樹が「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(20文字)を発表。AKB48も「鈴懸の木の道で『君の微笑みを夢に見る』と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」(78文字)を発売しているし、消費者にも慣れが出てきたのでしょうか。長いネーミングに、それほど抵抗がないのかもしれません。

「食べるラー油」の流れを汲む

「さあさあ生七味とうがらし~」は、大ヒットとなった「食べるラー油」系の流れを汲む桃屋の新商品です。山椒の香りと辛味を生かすために唐辛子を控えめにして、7種類の素材をなたね油でコーティングした味付け七味のしっとりタイプ。山椒の風味が心地よく、ご飯やおにぎりなどはもちろん、料理のトッピングとしても優秀で、味の良さと汎用性の高さから小売業の各社バイヤーからも絶賛されていました。

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