富士重、「円安」「アウトバック」で増益幅拡大 国内の販売計画は引き下げ

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 10月31日、富士重工業は2015年3月期の連結業績予想を上方修正したと発表した。ジュネーブで3月撮影(2014年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[東京 31日 ロイター] - 富士重工業<7270.T>は31日、2015年3月期の連結業績予想を上方修正した。国内販売は想定以上に厳しいが、米国での販売好調が寄与する。売上高、営業利益、純利益いずれも3年連続で過去最高としていた従来予想をさらに引き上げる。

営業利益は前期比17%増の3820億円となる見通し。従来は同4.1%増の3400億円を見込んでいた。トムソン・ロイターの調査によると、アナリスト22人による予測平均値は3944億円で、会社の修正予想はこれをやや下回っている。

売上高予想は前期比15.4%増の2兆7800億円(従来予想は同13%増の2兆7200億円)、純利益も同16.6%増の2410億円(同4.1%増の2150億円)にそれぞれ上方修正した。好業績を受けて、中間・期末配当をそれぞれ前回予想から3円増配となる31円に引き上げ、年間で6円増配の62円とする。

4―9月期の営業利益は前年同期比23%増の1857億円だった。為替で215億円のプラス要因になっているが、為替の影響を除いても135億円利益を押し上げており、会見した吉永泰之社長は「実力をつけることができた。手応えを感じている」と述べた。

通期の国内販売計画は下方修正

通期の年間販売計画は、世界全体で91万6000台から90万9400台に下方修正したが、過去最高の販売台数を見込む。米国は好調だが、日本が足を引っ張る。新型「アウトバック」が想定以上の売れ行きとなっている米国を従来の49万0200台から51万3200台に引き上げた。一方、日本は従来の19万4900台から16万6500台に引き下げた。

吉永社長は、日本国内の販売状況について「足元の受注は前年比で15%ほど落ちている」といい、全体需要は「下期から流れが変わると思っていたが、年内の全需回復は厳しい」との見方を示した。

今期の想定為替レートは1ドル=104円(従来は100円)、1ユーロ=137円(同135円)に見直した。また、商品力強化に向けて試験研究費を840億円と従来から100億円積み増した。

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