最大級のメガソーラーが目指す「地方創生」 くにうみアセット・山崎養世社長に聞く

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今までは電力会社しか電力設備を持たなかった。それを、電力会社がデベロッパーになって、一部を機関投資家に長期で持ってもらうこともできる。今回のプロジェクトでGEが持っている部分(エクイティ)を日本の年金基金が持つこともできる。

こうした流れを拡大するために、私たちが東京証券取引所(日本取引所グループ)に提案したのがインフラファンド(J-REITのような上場公募投資信託)だ。結局、それが採択され、私も代表事業者の一人として議論に加わっている。東証がインフラファンドを上場すれば、年金基金や保険会社も株式と同じように投資しやすくなる。そうすることで、インフラへの資金流入が増える。これから起きるのは、金融面からのインフラのシステム改革だ。

――メガソーラー事業を将来、インフラファンドに組み込むこともできる。

今回のメガソーラー計画についても、発電実績を1~2年積んでから、インフラファンドに組み入れることを検討している。

かつての財政投融資が廃止され、電力会社も厳しい経営状況に追い込まれるなど、現状の日本のインフラ投資は資金面でたいへん危機の状況にある。今後は、各インフラプロジェクトが証券化を通じて「見える化」(情報開示)されたうえで、民間のさまざまな資金を取り込むことで、ファイナンスがやりやすくなる。経営が厳しい電力会社でも、一部の資産を切り出して証券化することもできる。今は、こうした新しいことが始まる第一歩だといえる。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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