不倫から始まった恋愛は幸せになれるのか？ アラフォー4人の恋愛模様『ミストレス』

トルーディ

さて、前述の各キャラクターの初期設定を読んだ時点で、女性の共感を得られるのは、強いて言えばトルーディだろうか。いかにも、人のいいオバチャンという感じの彼女は、情に厚いところが、どうにも貧乏くじを引きそうな気がして心配になる。

ケイティ

いくらなんでも、ドラマじゃなきゃありえないよねえ？と他人事に感じるのは、ケイティの行動だろう。父親の愛人だったことがバレたら、どうするつもりなのか？

シボーン

シボーンの気持ちはわからないでもないが、実際に肉体関係を持ってしまうことには抵抗を感じる。夫は悪い人ではなさそうだし。

ジェシカ

筆者が最も共感できないのは、ジェシカのようなタイプだ。頭の回転も速くモテるが、こういう“ないものねだり”を続ける女性を見ると、イラっとする。とまあ、これは筆者の最初の時点での感想だが、受け取り方は十人十色だろう。

この最初の感想から、シーズン1全6話を見終わった時点で、各人に対する印象が、どのように変わっていったかを振り返って考察するのは、なかなか楽しい作業だ。思ってもいないキャラに感情移入し、この女性または男性はダメだと思っていたら、案外いい人じゃん！となったり。結婚とは、夫婦とは何か、あるいは恋愛における真理について考えさせられたりもする。

本作では、とにかく誰ひとりとして予想どおりの行動、予定調和的な展開にならないのだが、それがうそっぽいというより、人間ってこんなものじゃないかなと筆者は思ってしまった。現実的に考えてみても、不倫をするとか恋愛に奔放なタイプの人間は、思ってもみない行動を取ることが、しばしばあるからだ。