米フェイスブックの第3四半期は59%増収、2015年は支出拡大 モバイル広告堅調、月間ユーザーは13.5億人に

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 10月28日、米フェイスブックが発表した第3・四半期決算(9月30日まで)は、モバイル広告への需要が底堅いなか、59%の増収となった。昨年12月撮影(2014年 ロイター/Eric Thayer)

[サンフランシスコ 28日 ロイター] - 米フェイスブック<FB.O>が28日発表した第3・四半期決算は、売上高が前年同期比59%増加し、市場予想を上回った。最近買収したスマートフォン(スマホ)向けチャットアプリの米ワッツアップが赤字となったものの、堅調なモバイル広告収入が寄与した。

一方、2015年は支出が大幅に拡大するほか、第4・四半期の売上高の伸びが鈍化すると明らかにした。これを受け株価は時間外取引で約10%急落した。

第3・四半期の売上高は32億ドルと、前年同期の20億2000万ドルから増加。トムソン・ロイター・エスティメーツのアナリスト予想である31億2000万ドルを上回った。

モバイル広告収入は、広告収入全体に占める割合が66%となり、前年同期の49%から拡大した。

月間ユーザー数は13億5000万人。毎日サービスを利用する人は8億6400万人となった。

純利益は8億0600万ドル(1株当たり0.30ドル)で、前年同期の4億2500万ドル(同0.17ドル)から増加した。

特別項目を除いた1株利益は0.43ドルだった。

マッコーリー・リサーチのアナリスト、ベン・サッチャー氏は「フェイスブックの製品に対し、ユーザーと広告業者の両方から旺盛な需要があることが引き続き示されている」と指摘した。

フェイスブックは今回初めてワッツアップの業績を明らかにした。米証券取引委員会(SEC)への提出文書によると、ワッツアップの2014年上期決算は2億3250万ドルの赤字となった。前年同期は5880万ドルの赤字だった。

ワッツアップは現在アプリに広告を載せておらず、フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、ワッツアップの収益化を急がない姿勢を示している。

マッコーリーのサッチャー氏は、ワッツアップが「長期投資」であり、今最も重要なのは同アプリがユーザー基盤を拡大し続けることだと投資家は理解していると話した。

フェイスブックのデービッド・ウェーナー最高財務責任者(CFO)はアナリスト向け電話会議で、2015年の支出は55─75%拡大するとの見通しを示した。ワッツアップやオクラス、その他まだ利益を上げていない製品に投資するとみられる。

一方、2015年の売上高については、どの程度拡大するか具体的な数字は明らかにしなかった。

BTIGのアナリスト、リチャード・グリーンフィールド氏は「売上高見通しを明らかにせず、支出見通しだけを示している。投資家はこれに不満で、懸念材料でもある」と述べ、来年の売上高の伸びがどの程度になるかが投資家が最も知りたい点だ、と語った。

ウェーナー氏は、第4・四半期の売上高の伸びについては、40━47%を見込んでいるとした。これは、第3・四半期の59%を大きく下回る。

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