12年新卒採用動向、量よりも質を重視する傾向が一段と--矢下茂雄・楽天みんなの就職事業長に聞く

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量か質かで採用方法は違ってくる。楽天では、商社希望の学生と、その他の業種企業が接点を持てるようにフォローしている。

--今年の就職活動の特徴は?

今年は「就職IT化元年」だ。企業は、景気のいい時は地方都市でも会社説明会を開催していたが、予算を切り詰めるために地方開催を停止した。企業は、東京・名古屋・大阪などででやれば十分と考えた。

しかし、実際は欲しい人材が十分に集まらない。

そこで、企業はコストを抑えながら地方学生と接触する手段として、ITを活用することにした。動画配信、USTREAM、テレビ会議などを使って、地方学生を対象に会社説明会を行うことにしたのだ。

ITは、採用人数も予算も絞り込む一方で、メッセージは全国に広く届けたいという企業のニーズを満たしてくれる。

■外国人新卒採用は珍しくなくなる

--外国人学生の採用が増えているようだ

外国人の新卒採用は昨年から本格化し、今年は外国人新卒採用の本格化2年目となる。アジアでビジネスをするならば、日本人よりもアジア人の方がいいと考える企業は多い。

また、「優秀な人材を採用するには外国人学生の方が日本人学生よりもいい」という企業もある。実際、SPIなどのテストをやらせても、外国人学生の方が点が高い。

1986年に男女雇用機会均等法が施行された時に、男女が同じ勤務条件で同じ仕事をするということに違和感があった。しかし、2000年ころには「仕事において男女は関係ない」という意識となった。外国人新卒もいずれ違和感がなくなるだろう。

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