収益を安定的に増やせば規模は自ずとついてくる--廣瀬博・住友化学社長

収益を安定的に増やせば規模は自ずとついてくる--廣瀬博・住友化学社長

日本の石油化学産業界にとって、不安視されてきた「2010年問題」。中東と中国国内で新・増設された石油化学プラントが、今年相次いで稼働を開始。これまで日本の余剰生産分を飲み込んできた中国の石化製品市場で需給が緩み、日本勢の輸出が落ち込む可能性があるという問題だ。

これに対して、ユニークな立場にあるのが住友化学。同社はサウジアラビアの世界最大の石油会社サウジ・アラムコと共同で、世界最大級の石油精製と石油化学を統合したプラント「ペトロ・ラービグ」を昨年4月に稼働開始、2010年問題解消への布石を打った。しかし、先進国景気が低迷する中で想定していた収益を確保できていない。米倉弘昌氏(現会長、日本経団連会長)の後を託され、就任2年目を迎えた廣瀬博社長に、石化業界と住友化学の将来像について聞いた。

──かねてから業界内で懸念されていた「2010年問題」。現時点で事業への影響はいかがですか。

日本は石化の基礎製品であるエチレンで、約730万トンの年産能力を持つ。このうち内需向けは500万トン程度。ここ数年は中国の高成長に乗って輸出が好調だったが、中東の安いコストでつくった石化製品が中国に流れてくることなどによる、市況の軟化が心配されてきた。

だが、実際には石化製品の取引価格は、需給で決まった水準からかけ離れていない。ペトロ・ラービグの場合もそうだ。ここ1~2カ月は市況がずいぶん下がったが、在庫調整の範囲内だろう。中国は10月に国慶節を控え、それに向けた商戦がまた動いてきている。

中国はエチレン換算で、依然として年間1000万トンほどを輸入している。経済産業省によれば中国の石化製品需要は、エチレン換算で14年に3000万トンを超える見込みだが、それに対する国内生産能力は2000万トン前後と、輸入超過状態が続くだろう。

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