東京電力は大型増資ショックで株価低迷。「積極投資への備え」が目的だが、市場からは「理解できない」の声も

東京電力は大型増資ショックで株価低迷。「積極投資への備え」が目的だが、市場からは「理解できない」の声も

東京電力の株価が低迷している。10月4日に終値で1996円と、25年ぶりの安値を更新、その後も2000円近辺で底ばっている。

急落のきっかけは、9月29日に5549億円を上限とする公募増資・第三者割当増資を発表したことだ。事業会社としては今年最大規模。そもそも、東京電力の公募増資自体は設立以来5回目で、直近では29年前の1981年以来。金額ではそのときの1298億円の4倍超と、会社始まって以来の超大型増資だ。

会社が増資の発表時に示した資金使途としては、2700億円を14年3月期末までに電源の効率化を含む低炭素化に向けた国内の設備投資に、残額を同じく14年3月期末までに成長事業の拡大への投融資資金に充当する、というもの。

具体的には、前者についてはすでに予定している東通原子力発電所1号機(青森)の建設費等に2200億円、川崎火力発電所2号系列で熱効率の高い最新鋭火力発電設備を導入するために500億円を充てる予定だ。また、海外への投資については、米国サウステキサスプロジェクト原子力発電所3・4号機プロジェクトへの参画資金、豪州ウィートストーンLNGプロジェクトへの参画資金などを挙げている。

東京電力は、9月中旬に「2020年ビジョン」という中期経営計画を発表。そのなかで、今後10年間に国内の原発増設計画の推進を中心とした低炭素化対応で2.5兆円、海外事業などの成長分野に最大1兆円の投資を行うことを明言した。この計画に沿った、来たるべき「大規模、集中的な投資に機動的に対応し、しかも財務の健全性を維持する」ため、借り入れや社債ではなく、あえて新株発行による自己資本の拡充という方策を選んだ、というのが今回の会社側の説明だ。

ただ、株価の動きが象徴するように、今回の増資に対しては、市場関係者からは「理解できない」「ネガティブにしか評価しようがない」といった厳しい指摘が相次ぎ、一部には投資判断の見直しや株価目標変更なども出ている。

たとえば、バークレイズ・キャピタル証券の円尾雅則アナリストは「まったく不必要なこと」と断じる。

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