産業天気図(機械) 設備投資は後半も力強い回復続く、企業業績の増額相次ぐか

設備投資の回復が続いている。国内ではほぼ10年ぶりとも言われる設備投資更新需要期を迎えているほか、自動車向けが相変わらずの好調、さらにデジタルカメラ・携帯電話・DVDプレーヤー及びレコーダーなどのデジタルAV機器関連向け投資に火がついている。海外でもアジア向け中心に活発な設備投資需要が発生している。
 この9月上旬に発表された工作機械統計(日本工作機械工業会調べ)の受注速報によると、2003年8月の工作機械受注総額は670.77億円で前年同月比121.9%となり、これで昨年10月から11カ月連続して内需・外需とも前年比プラスを続ける格好になった。同じく7月の確報によると、主要部門である一般機械向けが前月比102.6%、また自動車向け(部品向け含む)が前月比104.2%と、引き続き高水準で推移し、全体を大きく牽引している。
 今年度後半もこの勢いは続きそうだ。自動車向け受注の先行指標である新車登録台数が堅調に推移しているほか、電機向け受注の先行指標であるDRAMスポット価格も依然上昇基調で、パソコンメーカー各社の強気な姿勢が見て取れる。米国、台湾などの半導体メーカーの300mmウエハ工場建設も具体化してきている。さらに中国についてはオリンピックと上海万博を控え空前の建設ラッシュが発生しており、建機ブームは向こう数期継続すると見られている。
 こうした追い風を受けて、工作機械各社は今期軒並み増収増益に転じる。また、おそらく多くの企業が増額となってくるはずだ。 
 先日、工作機械の心臓部であるCNC(コンピュータ数値制御)装置最大手のファナックが、中間決算の業績予想を大幅に上方修正したことがその前兆である。ファナックは産業ロボットでも大手の一角を占めるが、こちらも大幅な増産を発表し、工作機械の堅調ぶりを象徴するニュースとなった。
 射出成形機大手では東芝機械もおそらく上方修正してこよう。デジタルAV関連向けを筆頭に、全般に好調。アジア向けも絶好調で、特に中国向けの進捗が著しい。先日、上海工場が近々本格生産を開始するが、さっそく同規模の第2工場用地を真隣に取得する予定だ。
 板金機で国内大手のアマダも現在リストラ途上で最終赤字ではあるが、この上昇気流に乗って思いがけず業績改善が早まりそうだ。
 放電加工機のソディックも増額有望銘柄の一社。ハイテク関連と自動車向けはもちろん、化粧用具のビューラーや120ml小型ペットボトルキャップなど日用品の増産向けにオーダーが相次いでいるといい、今回の設備投資ブームの裾野の広さを感じさせる。
【高橋由里記者】

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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