FSB(金融安定理事会)の規制議論、11月のG20に向けて注目が集まる

世界中の金融機関がかたずをのんで見守る中、バーゼル銀行監督委員会の上位機関である中央銀行総裁、銀行監督当局長官グループが、銀行に対する新たな最低自己資本基準を9月発表した。

規制強化は段階的な措置だが、コアTier1(普通株や内部留保等で構成)は現行の2%から2015年までに4.5%を確保しなければならない。同水準に加えて、新たな概念として取り入れた資本保全バッファとして2019年までに2.5%の積み増しも必要になる。このバッファを満たしていなければ配当などの社外流出を制限される可能性があり、実質的な最低基準といえる。つまり、金融機関はコアの自己資本比率を2%から7%(4.5%+2.5%)へ引き上げを求められることになった。

規制強化を見据えて各メガバンクとも巨額の普通株増資を行ってきたが、9月21日の全国銀行協会の定例会見で奥正之会長(三井住友銀行頭取)は「規制の全体像が固まっておらず、全体評価はまだ早いとは思う。ただ、コアTier1は資本バッファを含めると3倍以上(2%から7%へ)。そうした意味ではたいへん厳しい」と話した。今後は期間利益の積み上げで中核的な資本を増やしていくことになる。日本の金融関係者からは、「理屈なく情緒的に数字が決まった。資本バッファの水準がなぜ世界一律なのか……」といった声も聞かれるが、国際規制であるだけに対応するほかない。

一方、大枠の数字が決められたものの、「普通株以外でTier1、Tier2に含まれる資本の定義がどうなるのか。また、各国でルールが異なる中、年金資産など扱いはどうなるのか」(野村資本市場研究所の小立敬主任研究員)と言うように、自己資本を算出する細目の規制内容が最終的に固まっておらず、現時点で具体的な影響度を算出することは難しい。ただ、「段階的な導入とはいえ、市場からは個々の金融機関がいつその基準を達成できるのかと見られるだろう」(スタンダード&プアーズの根本直子マネジング・ディレクター)。

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