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創造性とブランド価値を高める
オフィス環境の革新

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企業が激しい競争を勝ち抜いていく上で、イノベーション創出の起点となるオフィス戦略の重要性が高まっている。働く人の創造性を引き出し、企業のブランド価値をも高めるにはオフィスはどうあるべきか。経営視点のオフィス戦略に詳しい、ニッセイ基礎研究所の百嶋徹上席研究員に聞いた。

優れたオフィス環境が
企業ブランドを向上

国際競争が激化する中で、企業が優位性を発揮していくために、最も重要な要素の一つといえるのがイノベーションだ。そのための創造性を最大限に引き出す大きな鍵を握っているのがオフィス環境である。

「先進的なグローバル企業では、オフィス環境を、知識創造を担う貴重な経営資源としての従業員の創造性や感性を磨き、イノベーション創出につなげる舞台としてとらえています。従業員は放任すると怠惰をむさぼるという性悪説的な考えの経営者からは、そうした発想は生まれてきません」

株式会社 ニッセイ基礎研究所
社会研究部 上席研究員
明治大学経営学部特別招聘教授
百嶋 徹氏(ひゃくしま・とおる)
1985年野村総合研究所入社、証券アナリスト業務および財務・事業戦略提言業務に従事。野村アセットマネジメント出向を経て、98年ニッセイ基礎研究所入社。専門は企業経営、産業競争力、産業政策、イノベーション、企業不動産、CSR等。共著書『CRE(企業不動産)戦略と企業経営』(東洋経済新報社)で第1回日本ファシリティマネジメント大賞奨励賞受賞。

そう説明するのは、ニッセイ基礎研究所の百嶋徹上席研究員だ。不動産を重要な経営資源として、CSR(企業の社会的責任)を踏まえた上で、企業価値最大化のために活用する戦略である「CRE(企業不動産:Corporate Real Estate)戦略」の重要性をいち早く主張し、普及啓発に努めてきた第一人者である。

「CRE戦略においてオフィス戦略の重要性が高まっています。オフィス環境というのは、ビルの設備や性能などのハード面はもちろん、立地するロケーションや、入居する部門をどう組み合わせるかといったことまで含めてとらえます。というのも、これらは従業員のモチベーションやワークスタイル、また社内のインフォーマルなコミュニケーションや人的ネットワークの質に影響するからです」。

オフィス環境の質が向上すれば、社内のコラボレーションが促進されて創造性が引き出され、業務の生産性や品質が向上し、画期的なイノベーションにつながり得るという。それがルーチンワークの場合なら、ミスの防止や作業効率の向上につながるのだ。このように、オフィス環境は、企業の人的資源管理(HRM:Human ResourceManagement)にダイレクトに効果をもたらすため、企業価値を高める上で重要なのである。

「加えて、働きやすいオフィス環境の提供は、企業のブランド価値を高めることにもなり、優秀な人材の確保や定着につながります」と百嶋氏は指摘する。

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