持病を抱え、月100時間超の残業がつらい

33歳女性、4つの転職先候補に迷う

いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)プリンシパルが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

【キャリア相談 Vol.15】  持病を抱えての残業に限界…。どこに転職すべきか?
体が持ちません…(写真:Image Republic/アフロ)
 社会保険労務士事務所で働いている33歳女(有資格者・登録なし)です。現在、転職活動中で、何社か内定をいただけそうなのですが、それぞれを選んだ場合のメリット、デメリットについてご意見を伺えればと思います。
 転職を決意したのは「このままじゃ体が持たないな」と思ったからです。今の職場は「月100時間超えの残業をしていないなら、まだ余裕あるから仕事増やしても大丈夫だよね」という文化。大学卒業後、ある病気を発症し、かなり軽度(障害年金とか障害者手帳とかの対象にはならない程度)とはいえ、今も治療を続けている身としては若干つらいものがあります。毎月の通院で「最近、帰りがいつも日付変わるくらいの時間で」「そんな生活で睡眠不足が続くとまた発作、起こしますよ! 睡眠はちゃんと取ってくださいね(怒)」「えへへ(てへぺろっ)」という会話を主治医と繰り広げる生活も、年齢を考えると限界かと思います(月50時間程度の残業なら耐えられる見込みです)。
 そんなわけで転職活動をしていて、内定が出ているところ(または出そうなところ)が下記です。メリット(○)、デメリット(×)も併せて書きます。
■某企業健康保険組合
○ 今までの経験も生かしつつ、健康保険に特化して知識をつけていける
○ 残業が少ない(月10時間程度)
× 万が一、解散となってしまった場合、次の就職先探しが難航しそう
(企業健保の解散は「ありえない話」では全然ないうえに、職員の努力による回避は難しい。そうなった場合、実際はそうでなくても「『半お役所』で定型業務しかやってこなかった」というイメージで見られるかもしれない)
× 健康保険以外の労働・社会保険関係手続き業務や給与計算業務からは離れてしまうので、勘が鈍る

■従業員数200人程度の会社の管理部門
○ 管理業務全般について経験を積んでいける
× 通勤が少し大変(無理というほどではない)

■介護系会社の給与計算部門(労働・社会保険手続業務も含む)
○ 介護・医療事業の給与・手続き関係に強くなれる
× 会社の継続性に不安がある(ほかと比べて不安度が高い)
× 残業が若干多そう(月50時間程度)
 
■人事・労務関係アウトソーシング会社
○ 今までの経験が生かしやすい。
○ 提供する業務の幅は現職より広がるので、新しい知識・経験も身に付く
× 残業が若干多そう(月30~60時間程度)
× ここでアウトソースに行ってしまうと、今後「会社の人事部門に行きたい」と思っても難しくなる(今回の転職活動でも「事業会社経験なし」という理由でかなり落とされました)
※待遇はどこもあまり差がなく、少なくとも生活はしていけるので、選択に当たってはさほど重視していません。
 「事務系の職で働く」ために社会保険労務士資格(と簿記2級)を取っただけなので、「どうしても社労士資格を生かした仕事を!」というようなこだわりはありません。病気が病気なので、自動車の運転が必要な職業や危険な作業は無理ですが、あとは縁があればどこでも、といったところはあります。それでもあえて「事務・バックオフィス系で」以外の希望を述べるなら、「将来、周りの誰かが『起業したい』とか『自分の会社のバックオフィス部門を強化したい』とか言ったときに、力になれる人になれていたらいいな」と。とはいえマストではなく、マストは「一生働き続けること」だけです(結婚して旦那に生活費を稼いでもらう、という選択肢はいろいろ理由があってなしです)。
 「倒れる前に働き方を変える」「一生働いて、自分(と最近、拾ったネコ2匹)の生活費くらいは稼ぐ」という目的を達するため、お知恵をいただけると幸いです。
もう「てへぺろっ」が通る年齢でもないM

 

無理をしないで長く働ける環境を選択

ご自身の病気をはじめ、家族の介護や育児など、何かしら制約のある中での選択は非常に難しいですよね。

私自身、かつて働きすぎで血を吐いて倒れた後、長期間にわたって時間的に無理が利かなくなり、食事制限もありました。さらに、家族がそれこそ手帳をもらうレベルの病気で長く闘病していたので、「もう『てへぺろっ』が通る年齢でもないM」さん(以下、Mさん)の選択について、レベル感は違えど、そのつらさも含めて他人事とは思えません。

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