NPT体制に大きな亀裂 世界に核を広げる危険性

2010年9月3日、日本はイランの核開発を阻止するための追加制裁を閣議了解した。これにより、6月9日に国連安全保障理事会が決議したイラン制裁措置(国連安保理決議第1929号)を超える、米国、EU、日本の追加制裁が出そろった。

米国は、金融、エネルギー分野を中心にイランを経済的に締め上げることで、核開発阻止を狙っており、EU、日本などに追加制裁を求めていた。こうした米国の圧力が成果を上げた形になったが、経済制裁だけで核開発を阻止できるという見方は少ない。イランは今でも粛々とウラン濃縮を続けているからだ。

核爆弾2個分のウラン?

IAEA(国際原子力機関)が9月6日に発表した報告書によれば、イランは20%濃縮ウランを22キログラム、5%未満濃縮ウランを2800キログラム保有しているという。核爆弾を製造するには、80%から90%に濃縮した高濃縮ウランを生産しなければならないが、イランが保有する低濃縮ウランを遠心分離器で再濃縮していけば、核爆弾2個分相当の高濃縮ウランを得られるとみられる。

イランは、「ウラン濃縮は原子力発電が目的である。日本と同じNPT(核拡散防止条約)体制下の核平和利用である。イランに核兵器を製造する意思はない」(セイエド・アッバス・アラグチ駐日イラン大使)という立場を貫いている。

ただ、原子力発電の燃料となるウランは3~5%の濃度であり、国連はそれを超えるイランのウラン濃縮を安保理決議違反の根拠としている。関係者によれば、「ウラン濃縮20%までが技術的に難しい。そこまで行けば、核爆弾用高濃縮ウラン生産プロセスの半分を達成したようなもの」という。

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