【産業天気図・半導体】DRAM価格ジリ安。テレビ等の動向も不透明で後半減速へ

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10年10月~11年3月 11年4月~9月

 半導体・製造装置業界の景況感は前半の2010年10月~11年3月が「晴れ」、後半の11年4月~9月が「曇り」に後退しそうだ。世界経済の2番底懸念とともに、DRAM価格が下がり始めている。足元の市況はまだ十分に利益が出る水準だが、薄型テレビなど最終製品の販売減速が懸念材料だ。

半導体市況は4~6月には2ドル台後半だった大口のDRAM価格(DDR3)が、すでに2ドル前半まで落ちている。価格の先行きには強気と弱気の見方が混在しているが、現状では弱気が優勢でジリジリと下がっている。

エルピーダメモリの業績も、4~6月期をピークに7~9月期は減益に。ただ対前年同期比では大幅増益である。10月~11年3月はDRAM価格は1ドル中盤までの下落ならば、微細化の進展により比較的高水準の利益は確保できると見ている。ただ、DRAMメーカーの増産が順調な一方、リーマンショック後のようにパソコン需要が急縮小すれば、また利益が出ない事態もありうるが、現時点では可能性は高くないのではないか。

NANDフラッシュメモリはDRAMよりも堅調が予想される。主要アプリでは一番勢いがあるスマートフォンが需要を牽引していること、主要供給者がDRAMよりも限定されるため。このため、東芝の半導体事業は大きな崩れはなく増益を確保できる見通しだ。

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