近づくな、入るな!"就活塾"の危なすぎる実態 「就活ビジネス」があなたを狙っている

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 大学周辺や就職説明会の会場近くで「学生さんですか、アンケートお願いします」と声をかけている若い男女をよく見かける。パンフレットを抱えて学生に執拗に声をかけている姿は、キャッチセールスのようだ。これらの男女は就活ビジネスのセールスマンたちだ。就活中の学生に「就職に役立つ」と言って、高額商品や就活塾への入会を勧誘している。
 ここ数年、就活ビジネスでトラブルが続出している。国民生活センターの調査では、2013年度の就活商法の被害相談は147件。平均契約金額は38万円と就活生にとっては高額だ。
 今年は就活スケジュールが変更になるため、就活生(現3年生)は不安を抱いている、就活ビジネスは就活生の不安心理に付け込んでくる可能性が高いので要注意だ。就活ビジネスにかかわったために就活に支障を来すということがあってはならない。今回は就活塾に関する質問に回答する。

就活塾は誰でも設立できる

上の画像をクリックすると就職四季報の紹介ページにジャンプします

Q1:就活塾に入会すると有利ですか。

就活塾、または就活予備校と呼ばれる団体が、就活生の就活を有料で支援しています。就活塾は玉石混淆です。就活塾へ通ったことで内定が出たという学生もいますが、通っても内定が出なかった学生もいます。問題のある就活塾が多く、就職に有利になるとは言い切れません。

内定が出ないだけでなく、金銭的に大きな損失を被ったり、友人を失うなどのケースがあります。専門学校ならば設立するための基準がありますが、就活塾には設置基準がありません。誰でも設立することができます。しかも、就活塾の教員になるのに資格は必要ありません。誰でも就活塾の教員になれます。就活塾に入会してみないとどんな塾なのか、どんな教員がいるのかわかりません。とてもリスキーです。

就活塾の教員は人材サービス会社などに勤務していた経験をセールスポイントにしていることが多いのですが、新卒採用のコンサル経験があるかどうかわかりません。大規模な人材サービス会社はいろいろな事業を行っているので、新卒採用のコンサル経験がまったくないということもありうるのです。こんな教員たちに指導を受けてもあまり効果はないでしょう。

Q2:どのようにしてトラブルに巻き込まれるのですか。

大学や就職説明会場の周辺で就活塾のセールスマンが「学生さんですか?」「就職活動で困っていることは?」などと言ってアンケートを求めてきます。そこで氏名や電話番号、メールアドレスなどを書いてしまうと、その後、すぐに連絡が来ます。本当は就活塾の勧誘を目的としているにもかかわらず、目的を隠して「就職に役立つ話が無料で聞ける」などと言ってきます。

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