ベンツとVWが新車投入、こだわり層に照準 ターゲットの顧客は別だが”共通点”も

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ベンツの最高峰「Sクラスクーペ」

エコカーの本命を競う電気自動車(EV)と、贅を尽くしたラグジュアリースポーツカー。対照的なドイツ車が相次いで日本に上陸した。前者はフォルクスワーゲン(VW)のEV「e-up!(イー・アップ)」、「eーGolf(イー・ゴルフ)」。後者はメルセデス・ベンツの最上級スポーティクーペ「Sクラスクーペ」だ。

カテゴリーもクルマのイメージも正反対だが、市場がなかなか膨らまないEVと富裕層相手の超高級車と、共にカテゴリーとしては狭い世界。ドイツ車の強いブランド力を背景に小規模市場にまで着々と商品ラインナップを拡充し、ブランド力そのものをさらに強化する象徴的な例といえそうだ。

VWは人気車種でEVを投入

フォルクスワーゲンの「イー・ゴルフ」(写真左)と「イー・アップ」。フォルクスワーゲン グループ ジャパンの庄司茂社長(中央)は「電気自動車には静粛性や加速感に魅力がある」と語った(撮影:梅谷秀司)

フォルクスワーゲングループジャパン(VWJ)が販売する「イー・アップ!」は15年2月から受注開始で、価格は366万9000円。「イー・ゴルフ」については400万円台後半の価格を予定しており、15年半ばに発売予定だ。

家庭用充電ポートと日本での急速充電規格である「チャデモ」用充電ポート双方に対応可能な、2つの充電用コンセントを配置。航続距離(1回の充電で走行できる距離)は「イー・アップ!」185キロメートル、「イー・ゴルフ」が215キロメートルで、バッテリーの保証は8年16万キロメートルとなっている。

両車種ともEV専用車ではなく、それぞれガソリン車「up!」「Golf」をベースに電動化したEVであるのが特徴。ベースとなっている「up!」は5ナンバーのコンパクトカーで軽自動車とも対抗できる価格帯で販売台数を伸ばしている。「Golf」は昨年、輸入車初の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。いずれも人気車種だ。

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