【産業天気図・化学】自動車やデジタル家電市場の調整とともに停滞の可能性。1年終始「曇り」へ後退

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10年10月~11年3月 11年4月~9月

足元で「晴れ」渡っている化学業界の景況感は、2010年10月からは1年通じて「曇り」に後退する見通し。09年春以後続いてきた世界経済の回復が停滞しつつあり、これまで好調に推移してきた自動車やデジタル家電などの主要な需要市場とともに、化学メーカーが供給する各種部材の生産・出荷が調整局面を迎える可能性がある。

「会社四季報」(10年秋号、9月13日発売)における化学セクター162社の今11年3月期業績予想は、売上高が前期比12.4%増(夏号は同11.6%増)、営業利益は同66.6%増(同47.2%増)と増収増益幅が夏号比で拡大する見通しだ。
 
 各種部材の販売数量増や市況の改善に加え、前10年3月期に続き設備投資の抑制による減価償却費の減少や各種の生産合理化などによるコスト削減などが利益拡大に寄与、主要通貨に対する円高などのマイナス要因をカバーするとの見方は従来と変わりがない。

四季報夏号と比較して今期の増収増益幅が拡大するのは、主要化学メーカーが第1四半期(10年4~6月期)に想定超の好調なスタートを切ったためだ。会社側の上方修正も相次いだ。期初から今期業績予想を公表している売り上げ上位10社(期初は予想非開示だった信越化学工業、12月期決算の昭和電工は含まない)でみると、5社が期初における今上期(10年4~9月)もしくは通期の会社予想を上方修正した。

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