好調マルエツ、イオン傘下でも戦略は真逆

中間決算の営業利益は前期比2.3倍!

通常、同社では節約志向が高まると、牛肉の販売額が減り、豚肉・鶏肉が伸びる傾向があったが、今上期に最も伸びたのは牛肉だった。「これは、おいしい商品を食べたいマーケットがあるということ」(上田社長)。さらに、牛肉の中で伸び率が一番高かったのは、最も低価格の味付け肉で、次いで仙台牛や神戸牛など最も高い銘柄和牛だった。このため、「安さ一辺倒ではダメだと言うこと。安さに対応するだけなら既存店売上高は前年同期比95%いかない」とし、2極化対応の必要性を話す。

これまでと違う販売動向はほかにも見られた。マルエツでは生鮮が好調だった一方で、近年、人気商品だったパウチ総菜や冷凍食品が落ち込んだのだ。上田社長は「昨年くらいまで、冷食は(売り場の)花形で、今後さらに伸長する、生鮮も素材がどんどん落ちてデリカ化が進む。業界でも、私もそう言っていたが、もしそれを進めていたら、とんでもないことに(ひどい決算に)なっていたと思う。”作らない化”の対応を推し進めると、実は大きなマーケットを取り逃がすことになる。素材回帰、内食回帰の流れがある」とする。

イオンと真逆の戦略が奏功?

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首都圏での「スーパーマーケット連合」創設の合意を受けて行われた今年5月の会見。左から2番目がマルエツの上田社長。右端がイオンの岡田元也社長(撮影:梅谷秀司)

上期の青果販売は11%増と好調だったが、その中でもっとも伸びたのがジャガイモやタマネギなど、いわゆる「土物」だった。これは火を通し調理しなければ食べられない。「出来合いの商品よりも精選の素材を組み合わせた方が割安ということがあるのは事実だが、一方で手間ひまをかけた方がおいしい物、安全なものへの関心が高まっている」(上田社長)。素材回帰の背景には、昨年末の冷凍食品の異物混入事件や中国からの輸入素材を背景にした消費者の安心・安全志向があると考えられる。

マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の3社は、首都圏における「スーパーマーケット連合」創設のため、それぞれの屋号はそのままに、来年3月に共同持株会社を設立する。その会社はイオンの子会社となるが、上田社長が推し進める戦略は、イオンの商品・価格戦略とは真逆だ。

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