ノーベル賞、天野教授が語った「次の夢」
赤崎教授も出席し、初の記者会見を実施

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これを受け、天野さんは「赤崎先生は大きなテーマ、材料を示していただいたかけがえのない方。普段はいつもニコニコしているが、論文書くときだけは非常に厳しい。でも、学生のころ投げ出したいと思ったことは一度もない。きれいな結晶にならないときはしょげて下宿に帰ったが、朝になると新しいアイデアが出た。楽しくて、苦労とか辛いと思ったことはない」

研究テーマはエネルギー関連

喜びを語る天野氏(右)

今後の研究テーマについては次のように語った。

「日本の重要な問題はエネルギー。いかに省エネルギー化、高効率化するかを、同じ窒化物を材料に追求したい」とした上で、「理科離れと言われるが、小学生に理科教室などを開くとそんな感じはしない。小学校から中学、高校へのつなぎどころを考えなければ。大学ではドクターまで行って進もうという日本人は少なくなったが、国を支える人材という意味で日本人ドクターがもっと増えないといけない。企業ももう少しドクターを優遇してほしい」

このように話をして、会場を笑わせた。

赤崎さんは「一番大事なことは好奇心。疑問をそのままにしないで、それを大切にすること」と呼び掛けた。

2人は研究当初の青色LEDと現在の製品を手にして、満面の笑みを見せていた。 

関口 威人 ジャーナリスト

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せきぐち たけと / Taketo Sekiguchi

中日新聞記者を経て2008年からフリー。名古屋を拠点に地方の目線で環境、防災、科学技術などの諸問題を追い掛けるジャーナリスト。1973年横浜市生まれ、早稲田大学大学院理工学研究科修了。

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