28歳、経理から営業に転職して再び悶々… 30カ国の旅行経験。得意な「地理」生かしたい

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そうした場合、このまま行くと、言葉は悪いですが「永遠の夢追い人」になってしまい、30代になる頃には誰にも相手にされなくなる可能性が極めて高いと思います。ここはぜひ仕事への向き合い方を改め、相当な覚悟を持ってご自身と向き合っていただきたいと思います。

仕事を仕事としてきちんと考えないと、またこの先、同じことの繰り返しです。経理をやってみたが、なんか違うのでやめて、やりたかった海外での仕事をやってみた。でもまたちょっと違うから、今度は趣味の地理や旅だ。そういった考え方にはすでに限界が来ているのだと思います。

「次がラストチャンス」とありますが、確かに今のやり方ではそうでしょう。しかし、やり方次第では、現在、そして次の仕事が、さらにその次に発展するような展開につながるのではないかと、私は思います。

キャリアチェンジを含めてキャリアを切り開くいちばんの近道は、現在いる職場でまずは実績を出すことです。実際にやってみてどうしても合わなかった、というのは仕方のないことだと思いますが、そこで学びがあるとないとでは、次につながるか否か、という意味で雲泥の差があります。「何だか合わなかったので単にあきらめた」のと、「合わない中でも自分で工夫して実績を少しでも上げた」というのでは、周りの見方も当然、変わってきますよね。

たとえば、見積書作成や価格交渉なんかは前職の経理時代の会計知識が役に立つ箇所も大いにありますし、工夫次第でその両者を経験していることのアドバンテージも大きくなりえるものだと思います。その結果として、会社に貢献できることもあるかもしれません。

そういった前向きな姿勢がないと、仕事は前に進みませんよね。受け身の姿勢ではなく、自分で結果を出して次につながる経験を積めるように、積極的に仕事に向かい合うべきだと思います。

そう考えますと、少なくとも営業経験を通じてこれだけは学んできた、こんな実績を上げてきた、ということをいくつも言えるような状況になってから転職するほうがよいでしょう。

「急がば回れ」実績を積もう

Yさんの場合は、現状では正直、スキルや経験面でアピールできるものがないように思えますので、「急がば回れ」の精神で実績をきちんと出すことが求められます。転職する際には武器が必要ですが、武器は過去と現在の仕事を通じてしか取得できませんので、まずは実績を積みましょう。

「無駄な経験はない」とよく言いますが、同じ経験でも本人の考え方次第で、無駄にもダイヤモンドにもなります。そう考えますと、やはり漠然と経験だけするのではなく、小さくてもよいから客観的にわかりやすい形で自分自身の成功体験を蓄積していくべきです。

そうでないと「嫌だから逃げる」のが癖になってしまいます。20代では存在した逃げ場は30代ではかなり縮まりますので、30代になった際にはもはや世の中を渡っていけません。

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