10年の小野寺政権に幕、続くKDDIの苦境

10年の小野寺政権に幕、続くKDDIの苦境

「成功体験が会社に根差し、そこから踏み出そうという気概がなくなってしまった。それが心残り」。長期政権に幕を引く決意をした主は会見後、そうぽつりと漏らした。

通信大手KDDIは9月10日、12月1日付で小野寺正社長兼会長の後任に田中孝司専務が就く人事を発表した。小野寺社長は2001年来、舵を取り続けてきたが、近々発表する中期経営計画を新社長の下で策定することが適当と判断した。12月からは会長に専念する。

社長就任の前年に合併したDDI、KDDら3社の組織統合を主導した小野寺社長はKDDIの礎を築いた存在だ。携帯電話事業では他社に先駆け音楽配信や学生向け割引など新サービスを展開し、06年度から2期連続で純増数1位を獲得した。通信技術への造詣も深く、総務省との折衝でも存在感を発揮してきた。

スマートフォンで出遅れ

だが、それも今は昔。目下、同社は厳しい逆風にさらされている。

携帯電話では今年度の契約者純増数が5カ月間でわずか32万件と、ソフトバンクの127万件などに大きく水を開けられている。その一因は「スマートフォンへの着手が遅れた」(田中次期社長)ことだ。ソフトバンクがドル箱の「アイフォーン」を擁するほか、NTTドコモもソニー・エリクソン製の「エクスペリア」が好調。こうした端末は高額のデータ通信定額プラン加入を前提としており、加入者獲得だけでなく、単価の押し上げ効果も大きい。

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