【産業天気図・トイレタリー・化粧品】国内市場低調続き「曇り」。高級品などニッチ市場やアジアに強い企業が踏ん張る

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10年10月~11年3月 11年4月~9月

トイレタリー・化粧品業界は2010年10月から1年通じて、「曇り」の鈍い景況感にとどまりそうだ。化粧品、日用品共に国内はおおむね低調。高級化粧品など大人用トイレタリーなど、ニッチな領域に強い企業が堅調な業績を残しそうだ。

化粧品の国内市場は出荷数量、金額が底打ち、前年同月実績を上回る月も増えてきた。だが、回復の勢いは依然弱い。特に大手化粧品メーカーは依然として苦戦しそう。資生堂は国内売上高の前年同月割れが、10月以降も続きそう。主力ブランド「マキアージュ」など、ボリュームゾーンである中価格帯の化粧品が伸び悩んでいる。消費者の低価格志向に対応し、1000円以下の化粧水「専科」を9月から投入したが、他の苦戦を補えるような効果は期待できない。

化粧品2位の花王も大苦戦。「ソフィーナ」は売上高500億円を超える代表ブランドだが、赤字が続いている。尾崎元規社長は化粧品事業の構造改革を行う方針だが、具体策は現状不明だ。

ただ、高級化粧品に強いコーセーは回復基調に乗りつつある。消費低迷時も高価格帯は固定客が多いと言われており、マイナス幅を抑えることができていた。

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