コンビニに中高年層を呼び込め! ファミリーマートが「おとなコンビニ研究所」を立ち上げ

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コンビニに中高年層を呼び込め! ファミリーマートが「おとなコンビニ研究所」を立ち上げ

コンビニ業界3位のファミリーマートは9月14日、中高年世代向けの商品開発支援を目的とした「おとなコンビニ研究所」(所長:残間里江子、写真右)を発足させた。これは、著名プロデューサーの残間氏が代表を務めるアクティブシニアのネットワーク、クラブ・ウィルビーの協力を受けて立ち上げたもの。ファミリーマートでは、これを1つの足掛かりとして、これまで手薄だった50歳代以上の世代に向けた商品・サービスを本格的に開発する方針だ。

国内市場が頭打ちのなか、新顧客層の開拓に動いているのはファミリーマートだけではない。「お客様の中心は20代~40代の男性。50代以上の方々、女性からの支持は低い」(ローソンの新浪剛史社長)という危機意識のもと、ローソン<2651>でも生鮮コンビニの出店やドラッグや調剤薬局とのコラボを推進している。セブン&アイ・ホールディングス<3382>傘下のセブン−イレブン・ジャパンでも、グループPBの総菜類を拡充するなど、女性客に向けた施策を重視している。

ファミリーマートの上田準二社長(写真左)は、「当社の顧客は45歳までで80%を占める。50~65歳の世代は11%ぐらいだが、これを20%に高めていきたい」、と研究所を立ち上げた狙いを語る。実は、この世代のコンビニでの客単価は平均より200円ほど高いという。中高年層をコアの顧客層に育てることで、業績への貢献にもつなげたいというのが本音だ。

国内市場での成長に向けて、中高年層の来店頻度を高めることは必須の課題になりつつある。ファミリーマートでは、多くの中高年層にとって気掛かりな「離れて暮らす親」に対するケアサービスを検討するなど、弁当などの商品だけでなくサービス面の開発も視野に入れている。少子高齢化が進むなかで、中高年層開拓はコンビニが生き残るための重要なカギとなりそうだ。

 

高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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