(第39回)【変わる人事編】増大し始めた外国人新卒採用。中国人は7万3000人弱

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 しかし、ベースとなるアンケートがあまり信用できない。企業に対しても学生に対しても、メールやWebによるアンケート調査であり、回答する企業や学生は、かなりアクティブな属性を持っていると考えられるからだ。つまり実態よりも良い結果になりがちだ。

●就職ナビの掲載社数で2012年度新卒採用戦線がわかる

 企業の採用意欲をもっとも良く示しているのが、就職ナビ掲載の企業数だ。このデータにはアンケート回答者のような偏りがなく、全体の傾向を知ることができる。毎日コミュニケーションズは7月29日に「2010年度 就職戦線総括」を発表し、その中に「マイナビ」掲載社数を挙げている。
 2月末段階のデータを見ると、
             2011年卒   2010年卒
マイナビ掲載社数    6212社    7184社
セミナー情報掲載数   3726社    4754社

 掲載社数は2010年卒から1000社近く減っている。2008年卒までは1万社近くの掲載社数があったから、減り続けている。また2月といえばセミナー真っ盛りの時期だが、1000社以上も減っている。
 就職ナビに掲載しながら、セミナーという採用活動を手控える企業が多かったのだ。2011年度の特徴は、プレエントリーが激増し、セミナーへの出席希望が殺到したことだが、セミナー自体が少なかったのかもしれない。

2012年度の就職ナビのオープンは10月1日。2011年度の就職ナビは5000社程度が掲載されていたが、プレエントリーを受け付ける企業は少なかった。2012年度の就職ナビはどうなっているのか? その数字から2012年度就活環境が占える。

●円高の行方が2011年度、2012年度新卒採用に影響する

 2012年度の就活に大きな影響を及ぼすのは円高だ。春先には1ドル=95円に届くこともある水準だった。先ほども触れたが、この頃に景気の回復感は確かにあった。ところが6月後半から円は上がり始め、9月には1ドル=83円台になる日も多くなった。円が最高値をつけたのは1995年4月のことで、瞬間的に80円を切ったこともあった。
 今回はどうだろうか? 金融相場は流れで動くから、70円台になってもおかしくない。マクドナルドのハンバーガーの日米価格から計算すると、1ドル=60円が適正と書く週刊誌もある。経済評論家の中には「50円」という人さえいる。
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