2003年版レジャー白書 雨模様のレジャー産業、パチンコ、宝くじが急伸

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「レジャー白書」は自由時間デザイン協会(旧余暇開発センター)が1977年に創刊したが、同協会が今年3月解散したことから、今回から社会経済生産性本部の余暇創造研究センターが継承、この8月発刊した。
 今回から調査種目は1つ増えて91となったが、2002年に全体の中で伸びた種目は21に減少した(前年は51)。余暇市場は83兆円弱で前年比で0.5%とわずかだがプラスとなった。ただ、それを支えたのはパチンコ(5.1%増)でそれ以外の分野は1.8%減で基調はあまり良くない。それでも定点観測している17の余暇関連サービス業の業界天気図でみると全体で1999、2000年当時は「大雨」(30~100%の減少)だったのが、昨年は「雨」(6~29%減)と「少し小降りになった」(丁野朗研究主幹)という。
 これをもう少し細かくみると、趣味・創作部門だはデジタルAV機器とファンタジー系コンテンツが伸び、全体で3,2%減となったスポーツ部門ではテニススクールとテレビドラマ人気のあったボウリング場の市場が拡大した。娯楽部門では射幸性の高いマニア向けのパチスロ好況に支えられてパチンコが伸びたほか、「ロト6」人気も加わった宝くじが2.1%増と健闘した。
 白書ではこの産業動向のまとめとして3つのキーワードをあげている。【1】スモール、【2】スロー、【3】ノスタルジー(古き良きもの)である。【1】は規模を小さく抑えることを活かしたビジネスモデルであり、フィットネスクラブ、外食のミニ店舗展開等の例がある。【2】は時間をかけてゆっくり質の高いサービスを提供する取り組みで外食のスローフード運動、風の旅行社等の例をあげる。【3】は「大きな古時計」のヒット、「巨人の星」等往年の人気コミックの復刊等がある。この流れは今年も続きそうだ。
【宇田川日出雄記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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