18年目の「ラ王」刷新 日清食品、巨額投資の成算

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 さらにここ2年で低価格のプライベートブランド(PB)が急速に台頭し、競争はますます激化。かつては年間300億円売っていた「ラ王」のシェアも年々落ち込んでいた。

今やよほどインパクトがある新商品でなければヒットが見込めないうえ、ロングセラー品でさえ生き残るのは難しい。開発担当の森常恭ブランドマネージャーは「過去と同じスピードで開発していては間に合わない。この2年間で各社の開発競争も激しくなった」と話す。

国内で熾烈化する競争は同社の業績にも表れている。直近の10年4~6月期はオープン価格品の販売が予想を下回り、売上高は前年同期比1・8%減少。新技術を取り入れた品は順調に売れているが、全体を底上げするには至っていない。

逆風が吹く中、巨額投資に見合った反応が返ってくるのか。「ラ王」が背負う期待は大きい。

■日清食品ホールディングスの業績予想、会社概要はこちら

(麻田真衣 撮影:今 祥雄 =週刊東洋経済2010年9月18日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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