知らないと恥をかく、そばの「3つの食べ方」 そばをおいしく食べるプロの全スキル、教えます

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「プロの寿司の食べ方、10のスキル」が英語で紹介されています!

(後日談)
N君:そばはおいしかったですが、今回はなんだか疲れましたよ(苦笑)。普段、立ち食いそばばかり行っているので……。今日のそば屋と立ち食いそばの違いって、そば粉以外では何ですか?
河岸:立ち食いそばの大半は、つゆ、天ぷらなどの具材を全部、仕入れている。そばを茹でて、濃縮めんつゆをお湯で薄めて、具を載せて出しているだけ。
N君:それに対して、今日の店はそばを自分で打つ、つゆも鰹節からだしをとって作っている、と。
河岸:そのとおり。だから添加物を使う必要がない。立ち食いそばは、そばにも、めんつゆにも「化学調味料」や「リン酸塩」「甘味料」「酸味料」など、いろいろ添加物が入る。それから立ち食いそばのそばは、安く上げるために、そばの実の殻の部分まで砕いて入れている。
N君:立ち食いそばの中では、そばに黒いブツブツがある店もありますよね。殻が入るといけないんですか?
河岸:殻を入れると、そばの風味は出るけど、あまりしないほうがいい。というのも、殻の部分には菌がつきやすいんだ。殺菌して使っているところもあるけれど、それでも殻は殻だから。まあ考え方の違いといわれれば、それまでだけどね。
N君:しかしさんざん怒られながら食べても、やっぱり、そば、おいしかったですよ。立ち食いそばとは別物ですね。
河岸:だからいつも言ってるじゃない。立ち食いそばは「そば」じゃない、「茶色いうどん」だって。
N君:またまたそんな毒舌を……。

 

というわけで、「そばの食べ方」の基本は以上です。

ほかにも、「そば屋で食べる天ぷら」や「温かいそば」の話は、長くなるので盛り込むことができませんでした。次回作で詳しく解説しますので、ほかにも「そば屋の疑問」があれば、ぜひネット上で声をお寄せください。

前回の「朗報!回転寿司のプロの食べ方、10のスキル」を読んだ人が、その内容を英語に翻訳してこちらにアップしています。「英語ではこう表現するんだ」という勉強にもなるし、面白いので、興味のある方はぜひご覧いただき「SNSで海外発信」いただければ幸いです。

次回は、今回も少し触れた「ヤバすぎる『卵焼き』の裏側」です。外食でよく見かける「カチコチの卵焼き」について、その裏側を紹介します。ヒントは「日本人が大好きなマヨネーズには『黄身』しか使わない。では余った『白身』はどこにいくのか?」ということです。

楽しみにお待ちください。

5万部のベストセラーになっている新刊はこちら→『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』 900円(税別)とお買い得の1冊です!

河岸 宏和 食品業界を知り尽くした男

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かわぎし ひろかず / Hirokazu Kawagishi

食のプロや業界関係者のあいだで「食品業界を知り尽くした」と言われる男。大手ハムメーカー、大手卵メーカー、大手スーパー&コンビニ、数々の食品工場での勤務経験から「肉のプロ」「卵のプロ」「スーパー・コンビニのプロ」とも呼ばれる。

1958年、北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、「農場から食卓まで」の品質管理を実践中。「食品安全教育研究所」代表。
これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け惣菜工場、卵加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。

著書に『スーパーの裏側』(東洋経済新報社)、『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』(同文舘出版)などがある。
ホームページ「食品工場の工場長の仕事とは」を主宰。 
毎週発行している無料メルマガは、食品問題や事件が起こったときにすぐに解説するなど好評を得ている。

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