ヤフー小澤流は、「渋いギタリスト」を目指す

小澤隆生×瀧本哲史 対談(下)

小澤:一つ自分の会社を経営していたときに、信じがたいぐらいの浮き沈みを経験した。そこでレベルアップしたと思います。あとは楽天時代ですね。三木谷さんを含めた素晴らしい経営陣のもとで、あの成長を見せていただいた。そこでグッと上がったと思います。僕にとっては何しろプロ野球がでかかった。プロ野球チームをつくらせていただいた結果グッとあがったと感じています。あれで「一周した感」があるんです。一周したというのは、ビジネスというのはこうやってやるとうまくいく、というのが自分の中の型としてできたように思うんですね。

「はじめまして」の人には投資をしない

瀧本:2カ所ほど異なる分野で一定の成功をすると、そこから普遍性が発見されることがありますね。僕もタクシーをやって、そのあとケーブルテレビを成功させた。結構似ているところがあって普遍的なもの、法則的なものを発見できたような気がします。

投資をする際、人の能力を見極めるためにはどうすればいいか、ということも伺いたいのですが、履歴書である程度見極められますか。

小澤:例えば「リクルート、楽天にいました」ってなると、広い意味ではそういう環境下にありましたので、強い。そういう人はもともとのポテンシャルがグッとひき上がっている。もちろんその中でもバラつきがありますが。さらに言うと、起業して自分でサービスをやるのと、例え楽天だろうがリクルートだろうが、1ファンクションとしての営業で頑張っているのとでは、さすがに違う。だから投資する時には極論、素直で頑張り屋だったら誰でもいいなかと思っています。それまで何をやっていても。

ただ、僕は「はじめまして」の人には絶対に投資をしないんです。まず基礎体力テストをします。基礎体力は例えばコミュニケーション能力とか、プレゼンテーション能力とか、見た目とか。実は、見た目も非常に重要なんです。まず宿題を出します。たとえば3万円あげるから1カ月でオークションでいくらに増やせるかやってごらんと。

瀧本:3万円でどこまで増やすかというのも応用力じゃなくて、基礎ですか。

小澤:これは基礎体力なんですね。例えば「ASOViEW!(あそびゅー!)」というレジャー予約のサービス、一気に日本一になりましたけど、今、これを運営している人が僕のところに来たときに「じゃあ何月何日までに、何施設と契約してきてごらん」って言ったら本当に契約をとってやってきた。これでBtoBの基礎体力は分かった。次はBtoCに対するマーケティング能力を見たいから「じゃあ、この施設を使って、このシーズンでこれだけ予約とってごらん」と言ったら、しっかりそれ取って来たと。この時点で、まあまあこれは大丈夫だと思うわけなんです。超固い投資なんですよ。

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