訪れるか「小沢時代」「菅時代」の終焉

訪れるか「小沢時代」「菅時代」の終焉

塩田潮

 この20年、日本の政治は、ある意味で「小沢時代」だったといわれる。

 自民党幹事長時代の自公民路線構築に始まり、非自民連立政権の樹立、新進党の結成と解党、自自連立への参加と離脱、民主・自由合流、3年間の民主党代表と政権交代の実現、鳩山政権の幹事長という具合に、1989年以来、権力をめぐるドラマで、自身は表舞台の主役にはならずに「神輿担ぎ」と「下支え役」を甘受しながらも、終始、一方の主役の座を張り続けた。

 「非永田町政治」「官僚打倒」のイメージを武器に「風と波」を起こして政治をリードした。その新潮流を「菅時代」と呼んだ人もいた。

 ところが、小沢氏は今回、「決起では逡巡型」「首相の野心なし」「勝敗不確定の決戦は回避」といった過去の風評を覆す一大決心で挑戦を決め、決戦に突き進んだ。負ければ「小沢時代」は終焉となる可能性がある。

 勝って政権を握った場合も、「表舞台で逃げずに真っ向勝負」と自ら言明しているように、過去20年の「影の演出者による小沢時代」は終わる。

 一方、好感度と高人気、本人の攻撃力と突破力を武器にした菅流政治も、首相就任後は限界と無内容が露呈した感がある。首相自身、イメージ先行の「菅時代」に見切りを付け、政権担当能力と統治能力を磨く「新しい菅流」を目指しているように映る。

 代表選は国民不在の対決劇、政権内の醜い権力争いと評判はいま一つだ。だが、もしかすると、この戦いは長かった「小沢時代」と「菅時代」を終わらせることになるかもしれない。民主党が問われているのは、「小沢時代」「菅時代」を超えて新しい政治の扉を開くことができるかどうかである。
(写真:尾形文繁)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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