「パッとしない大学出」が弁護士になるには エリートに勝つ! 中堅ステップアップ戦略

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ちなみに大学院での学歴逆転手法を「学歴ロンダリング」と呼ぶ人もいますが、結果が伴っているかぎり、何と言われようとご自身の信じる方向に行くべきですし、外野の声は無視してよいと思います。

法科大学院ではありませんが、私自身、中堅大学からビジネススクールは世界のトップ校に行きましたが、胸を張って「ロンダリングしました!」と言っています。中堅校に所属することを不本意に思っている人にとっては、ある意味、合理的な手段です。

法科大学出身者数はすでに飽和状態ですので、中堅の学部から中堅の大学院に行っても中堅止まりとなり、よほどの差別化をご自身で図らないかぎりは、需要を上回る数の法科大学出身者の波におぼれる可能性が高いでしょう。

学部2年さんのケースでは職業上の実務経験がない状態ですので、「よほどの差別化」を図ることは困難であると思われ、採用の可否を判断するうえで、出身校とそこでの成績が大きな構成要素を占めるのでは、と一般的には考えられます。

したがって、中堅からのステップアップを目指すのであれば、やはり目に見えるステップアップを目指すべきです。

「値引きサービス」は苦戦の証

中堅の法科大学院には授業料免除などの金銭的メリットがあると記載されていますが、突き詰めて考えると、大学院も教育サービスという名のサービス業です。言い方は厳しいですが、世の中に求められるサービス、質の高いサービスであれば値引きの必要性はありません。値引きを全面に押し出すようでは、生徒数の確保に苦戦をしている可能性が高い。

「売り上げたる授業料の減少→質の高い講師陣らの確保が困難になる→さらに質がダウン→売り上げがさらに下がる」という負のループになる可能性も高いですよね。そうなると社会に出て活用できる知識が本当に身に付くのか、と一抹の不安を覚えます。

ちなみに職業訓練校たる大学院の評価は、結局、その学校を卒業して社会で通用する知識がついたか否か、すなわち卒業生の就職先や活躍度合いが非常に大きなクオリティの判断基準となりますし、当然、採用する側もそれを意識して採用することになるでしょう。

したがって、選ぶべきは学部レベルで有名な学校がやっている法科大学院ではなく、卒業生の活躍などを考慮した際に法科大学院として有名な学校を選ぶべきであり、こういった学校を「上位校」として認識するべきです。

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